夏休み前、息子が学校から2学期用の教科書を持ち帰ってきた日。
「えっ、こんなにあるの!?」
思わず数えてみると8冊。しかも「あと1冊はまだ学校に届いていない」と聞いてびっくり。
小学2年生だけで、2学期は全部で9冊、1年間では18冊もの教科書を使うことになります。
日本の小学校では、教科書を毎日持ち帰るのが一般的ですよね。
でも韓国では、教科書を学校に置いておく「置き勉」が基本。
そのため、保護者が教科書をじっくり見る機会は意外と少なく、私もこのとき初めて中身をゆっくり見ることができました。
ページをめくってみると、冊数が多い理由にも納得。写真やイラストがたっぷり使われ、読むだけでなく、「考える・話す・書く」活動が自然にできるよう工夫されていて、日本の教科書とはまた違った魅力があります。
この記事では、実際に息子が使っていた韓国の小学2年生の教科書を写真付きで紹介しながら、
について、親目線の体験も交えながらご紹介します。
これから韓国で小学校生活が始まるご家庭や、日本との違いが気になる方の参考になればうれしいです。
※この記事では、息子が小学2年生のときに実際に使用していた教科書をもとに紹介しています。
教科書の内容や冊数は、教育課程の改訂などにより変更される場合があります。
韓国の小学校の教科書は何冊あるの?
韓国の小学校では、教科書は1学期と2学期の始まりにまとめて配られます。
息子が小学2年生のときは、1学期に9冊、2学期に9冊。年間では合計18冊もの教科書を使いました。
「小学2年生で18冊!?」と最初は驚きましたが、実際に中身を見てみると、その理由にも納得。
韓国では、教科ごとに「読む教科書」と「活動用ワークブック」が分かれていたり、「統合教科」という独自の教科があったりするため、日本より冊数が多くなるようです。
とはいえ、普段は教科書を学校に置いておく「置き勉」が基本なので、子どもが毎日18冊を持ち歩くわけではありません。ランドセル(リュック)が意外と軽いのも、韓国ならではだなと感じます。
こちらが、夏休み前に息子が持ち帰ってきた2学期用の教科書です。
※このときは1冊がまだ学校に届いておらず、写真には8冊だけ写っています。

小学2年生・2学期に使う教科書はこちら
こちらが、息子が小学2年生の2学期に使っていた教科書です。
国語や算数だけでなく、「人物」「季節」「物」といった、日本ではあまり見かけない教科名が並んでいるのも韓国ならでは。
最初は「これは何を勉強する教科なんだろう?」と私も不思議に思いました。
教科書の内訳はこちらです。
国語だけで3冊、算数も2冊という構成には驚きました。
日本では1冊の教科書で学ぶ内容を、「読む教科書」と「活動するワーク」に分けて学べるようになっていて、授業の中で考えたり、話し合ったり、実際に書いてみたりする活動が多く取り入れられているようです。
教科名だけを見ると「冊数が多いな」という印象ですが、中身を見ていくと、一冊一冊にきちんと役割があることがわかります。
読み物+書き込みワークで、学びの流れがしっかり設計されています。
「統合教科」ってなに?日本にはない韓国ならではの教科
韓国の小学校低学年の教科書を見ていて、最初に「これは何だろう?」と思ったのが、인물(人物)・계절(季節)・물건(物)・기억(記憶)といった教科書でした。
国語や算数のような教科名ではなく、テーマそのものが教科書のタイトルになっているんです。
これらは、韓国の小学校低学年で使われる統合教科にあたるもの。
日本の教科でいうと、「生活」「道徳」「総合」「図工」などの要素が少しずつ入っているようなイメージです。
たとえば、
といった内容を、教科書のテーマに沿って学んでいきます。
ただ知識を覚えるというよりも、子どもたちの身近な生活から出発して、「考える」「話し合う」「作ってみる」「書いてみる」という活動につながっていくのが特徴です。
1学期には「私」「自然」「村」「世界」といったテーマの教科書もありました。
こうして見ると、韓国の低学年の学びは、教科をきっちり分けるというよりも、生活の中にあるテーマを通して幅広く学んでいくスタイルなのかなと感じます。
最初は「教科書の名前が独特すぎる!」と驚きましたが、中身を見てみると、子どもにとってはかなり身近で入りやすい内容でした。

時間割にも「人物」「季節」が登場!
日本の小学校では、「国語」「算数」「生活」といった教科名が時間割に並ぶのが一般的ですよね。
一方、韓国では統合教科のテーマ名がそのまま時間割に登場します。
たとえば、
というように、「今日は『季節』を勉強する日なんだ」とひと目でわかる時間割になっています。
さらに驚いたのが、毎週時間割が変わること。
学校行事や学習の進み具合に合わせて先生が調整し、その週に学習するページまで細かく家庭へ共有してくれます。
最初は毎週時間割が変わることに戸惑いましたが、今では「韓国の学校はこういうスタイルなんだな」と受け入れられるようになりました。
▶ 韓国の小学校の1日の流れや時間割については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
体育は3年生から独立教科に
日本との違いで特に驚いたのが、体育が3年生から独立した教科になることでした。
日本では1年生から「体育」の時間がありますが、韓国では1・2年生のうちは統合教科の中で体を動かす活動を行います。
実際に教科書を見ていると、統合教科の中に運動遊びや体の動かし方が紹介されていて、「体育にあたる内容はここで扱うんだ!」と少し不思議な気持ちになりました(笑)
もちろん学校でも体を動かす機会はありますし、外部講師が来て授業を行うこともあります。
一方で、日本と比べると低学年の体育の時間は少なく感じる場面もありました。
そのため韓国では、テコンドーやダンス、体操などの運動系の習い事に通う子どもも多く、学校以外で体を動かす機会を作っている家庭が多い印象です。
※息子は現在3年生になり、体育も独立した教科として学んでいます。

安全教育も日常生活と一緒に学ぶ
教科書を見ていてもう一つ印象的だったのが、安全教育が自然に組み込まれていることです。
火事や交通安全、防犯など、子どもたちにとって身近なテーマが統合教科の中で扱われ、「知識として覚える」のではなく、「もしこんなときはどうする?」と考えながら学べるようになっています。
思わず「ここまで丁寧に教えてくれるんだ」と感心する場面も多く、親の私までつい読み込んでしまいました(笑)
こうした身近なテーマを教科書の中で繰り返し学ぶことで、生活の中でも自然と意識できるよう工夫されているのだと感じます。

国語は3冊!「読む・話す・書く」が自然につながる
韓国の教科書を見ていて、特に印象的だったのが国語です。
日本では国語の教科書は1冊ですが、韓国では役割の異なる3冊を使い分けながら学習します。
「読む」で終わるのではなく、そのあとに「話す」「書く」活動まで一つの流れとして学べるように作られているのが特徴です。
教科書を見ていると、登場人物の気持ちを考えたり、自分ならどうするかを書いたり、友だちと話し合ったりする場面がたくさん出てきます。
知識を覚えるだけではなく、「自分の考えを言葉で伝える力」を育てようとしていることが伝わってきました。

ハングルの練習も「書く」活動がたっぷり
低学年の国語では、ハングルの読み書きもしっかり学びます。
口の形を見ながら発音を練習したり、받침(パッチム)のある単語を書いたり、音読や書き取りを繰り返したり。
実際に教科書を見ていると、「読む」よりも「実際に書いてみる」ページが多い印象でした。
ちなみに息子は、ほとんどハングルが読めない状態で小学校へ入学しました。
1年生の頃は、思わず「ミミズ文字(笑)」と言いたくなるような字を書いていましたが、毎週ある「パダスギ(받아쓰기)」の練習や先生の熱心な指導のおかげで、2年生になる頃にはずいぶん読めるように。
今でも家では一緒に書き取り練習をしていますが、私の韓国語の発音では「違う、それじゃ分からない!」と息子からダメ出しされることもしばしばです(笑)

▶ 韓国の「パダスギ」については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
算数も「答え」だけじゃない。「どう考えたか」を大切にする
韓国の算数(수학)の学習内容は、日本と大きくは変わりません。
かけ算や時間、長さ、図形など、扱う単元は日本の小学校とよく似ています。
一方で、教科書を見ていて印象的だったのは、「答えを出すこと」だけで終わらないこと。
計算問題のあとには、
といった問いかけが多く、自分の考えを言葉で説明する活動がたくさん取り入れられています。
教科書だけではなく、ワークブックにも書き込む場面が多く、計算しながら考えを整理していく構成になっているのが印象的でした。
国語で「話す・書く」を大切にしていることが、算数にもつながっているように感じます。

「算数には国語の力が必要」
以前、韓国のママ友から「算数の問題を解くにも国語の力が必要なんだよ」と聞いたことがありました。
当時は「どういうことだろう?」と思っていたのですが、教科書を見てみると、その意味がよく分かります。
問題文を読み取り、自分の考えを整理して、相手に伝える。
そんな力が自然と求められる内容になっていて、「計算ができれば終わり」ではない学び方なんだなと感じました。
韓国では就学前から学習を始める家庭も多いと言われていますが、こうした教科書を見ると、「考えを言葉で表現する力」を少しずつ積み重ねていることが、その背景にあるのかもしれません。
▶ 実際の授業の様子は、授業参観の記事でも紹介しています。
「物」の教科書がおもしろい!生活とつながる学びがいっぱい
数ある教科書の中でも、特に印象に残ったのが「物(물건)」の教科書でした。
ページを開いてみると、「発明王になりたい!」というテーマで、自分の身の回りにある物を観察したり、「もっと使いやすくするには?」とアイデアを考えたりする活動がたくさん載っています。
たとえば、
など、子どもが思わず「やってみたい!」と思える内容ばかり。
図工や生活科、探究学習を組み合わせたような学びで、答えを覚えるというより、自分で考えたり工夫したりすることを大切にしているのが伝わってきます。
写真やイラストも豊富で、大人が見ていても「なるほど」と思うページがたくさんありました。

「こんなことまで!?」と思うほど丁寧な内容
教科書を見ていて驚いたのは、日常生活で役立つことまで、とても丁寧に扱われていることでした。
たとえば、
など、「知っているつもり」のことでも、一つひとつ教科書の中で学べるようになっています。
「こんなことまで教科書に載っているんだ!」と最初は驚きましたが、子どもが実際に見て、やって、身につけられるよう工夫されているのだと感じました。
知識を覚えるだけではなく、日常生活の中で実践できる力を育てようとしていることが、教科書全体から伝わってきます。

さいごに
最初は「小学2年生で年間18冊!?」と、その冊数に驚きました。
でも実際に中を見てみると、ただ教科書が多いわけではありませんでした。
読むだけではなく、書く。
答えを出すだけではなく、考えて説明する。
知識を覚えるだけではなく、生活の中で実際にやってみる。
そんな学びが、それぞれの教科書やワークブックに丁寧に詰め込まれていたのです。
もちろん、日本の教科書にも良さがありますし、どちらが優れているという話ではありません。
ただ、教科書を見比べてみると、それぞれの国が大切にしている学び方の違いが見えてきて、とても興味深く感じました。
息子は現在3年生になり、教科数もぐんと増えました。
とはいえ、教科書を学校に置いておく「置き勉」のスタイルは相変わらず。宿題で持ち帰るワーク以外は、実はまだほとんど見られていません(笑)
ちなみに、息子が一番苦戦したのは「かけ算の九九」。
最初はなかなか覚えられず、「もうやりたくない…」と泣きながら練習した日もありました(汗)
それでも毎日少しずつ続けていくうちに、いつの間にか九九がスラスラ言えるようになり、今では足し算や引き算よりも九九の方が得意なくらいです。
もし足し算や九九など、算数でつまずいているお子さんがいるなら、ゲーム感覚で取り組める教材を取り入れてみるのも一つの方法。我が家も「遊びながら繰り返す」ことで、少しずつ自信につながっていきました。
韓国の小学校生活は、日本とは違うことばかり。
でも、実際に通わせてみると「なるほど」と思うこともたくさんあります。
これからも、親だからこそ気づいたリアルな学校生活を、このブログで少しずつ紹介していけたらと思います!
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