歯医者さんの前に立つだけで、
息子の表情は固まっていました。
機械の音。
薬っぽいにおい。
何をされるか分からない空気。
敏感な息子にとって、
歯医者はかなりハードルの高い場所だったんですよね。
小さい頃から音や刺激に敏感で、
初めての場所も苦手だった息子。
4歳の時には、虫歯治療のために鎮静麻酔を使ったこともありました。
そして5歳になった今回、
あらためて虫歯治療が必要になり、
今度は「笑気麻酔」に挑戦することになりました。
今回は、そんな息子の歯医者体験について書いてみたいと思います。
4歳の虫歯治療は大変だった
4歳の頃の虫歯治療は、
正直かなり大変でした。
笑気麻酔も試したのですが、
鼻につける器具を見ただけで緊張してしまい、
結局ギャン泣き。
そのまま治療は難しく、
鎮静麻酔(静脈内鎮静法)を使うことになりました。
治療中の記憶が残らない方法だったので、
息子自身のトラウマにはならずに済みました。
でも親としては、
かなり消耗した記憶があります。
「本当に大丈夫かな」
「また泣くかもしれない」
そんな緊張がずっと続いていて、
治療が終わった頃には、私のほうがぐったりでした(笑)。
歯医者さんを変えてみた
前回通っていた歯科は人気の小児歯科で、
いつもかなり混雑していました。
待ち時間も長く、
スタッフさんの対応も少し事務的。
もちろん悪い歯医者さんではなかったのですが、
敏感な息子には刺激が多すぎたのかもしれません。
そこで今回は、
思い切って歯医者さんを変えてみることに。
少し家から遠くなりましたが、
新しく通った歯科は、
空気がまったく違いました。
先生はハキハキしているけれど威圧感はなく、
子どもの様子を見ながら丁寧に説明してくれるタイプ。
スタッフさんたちも、
息子のペースを急かさず、
「怖くないよ」
「ゆっくりで大丈夫だよ」
と自然に声をかけてくれました。
その様子を見ていて、
「この環境なら大丈夫かもしれない」
と、私も少し安心できたんですよね。
日本と韓国で、治療方針がかなり違った
5歳の定期検診で、
「虫歯があるかもしれませんね」と言われ、
レントゲンを撮ることになりました。
すると韓国の歯科では、
「神経までは達していないけれど、早めに治療しましょう」
とのこと。
ちょうどその頃、
日本へ一時帰国する予定があったので、
念のため日本の歯科でも診てもらうことにしました。
すると今度は、
「乳歯ですし、初期なら様子見でも大丈夫ですよ」
という、まったく逆の見解。
さらに、
前回治療した銀歯についても、
「ここまで治療が必要だったかは微妙かもしれませんね」
と言われてしまい、
かなり驚きました。
韓国では“早めにしっかり治療”、
日本では“なるべく様子を見る”。
国や先生によって、
考え方って本当に違うんですね。
どちらが正解というより、
「納得できる説明を受けること」が大事なんだなと感じました。
笑気麻酔に挑戦
今回いちばん驚いたのは、
5歳になった息子が、
笑気麻酔を受け入れられたことでした。
前回は、器具を見るだけで泣いていたのに。
今回は事前に、
画像やイラストを見せながら、
「甘いにおいのガスを吸って、リラックスするんだよ」
と説明しておきました。
当日は、子ども用のヘッドホンをつけて、
天井のスクリーンで好きな動画を見ている間に治療を進めてもらいました。
韓国の小児歯科では、
こうして動画を見せながら治療するスタイルが比較的一般的。
息子はもともと音にかなり敏感なので、
ヘッドホンで周りの音が少し減るだけでも安心感が違ったようでした。
感覚過敏の子って、
「完全に平気にする」より、
“少しラクにする”だけでもかなり違うんですよね。
音や不安を少しでも和らげる工夫なのか、
動画に集中している間は、不安も少しやわらいでいたようでした。
私は横で手を握り、
先生にも、
「かなり敏感なタイプなので、ゆっくりお願いします」
と事前に伝えておいたのです。
するとスタッフさんたちも、
器具をひとつずつ説明しながら、
かなり丁寧に進めてくださいました。
そのおかげか、
息子も途中で大きく崩れることなく、
最後まで治療を受けることができました。
前回は泣いて治療室にも入れなかったことを思うと、
本当に大きな成長だったと思います。
「できた」が増えた
今回の治療では、
「できた」がたくさんありました。
笑気麻酔を受けられたこと。
器具の説明を聞けたこと。
怖がりながらも、
最後まで椅子に座っていられたこと。
ほんの1年の差かもしれません。
でも、
子どもってちゃんと成長しているんだな…と感じました。
そして同時に、
子どもの成長だけじゃなく、
先生との相性
安心できる環境
事前の説明
そういうものも、
かなり大きかった気がしています。
これからは「予防」を中心に
5歳半を過ぎた頃には、
少しずつ大人の歯も生えてきました。
次はシーラント治療など、
予防中心のケアも始まる予定です。
もちろん、歯医者らしい空気に緊張することもあると思います。
それでも、
以前よりは少しだけ、「大丈夫かもしれない」
と思えるようになってきました。
最近は、
「治療」よりも、できるだけ予防を大事にしたいな…と思うようになりました。
わが家では、小さい頃からハピカの電動歯ブラシを使っています。
音や振動が強すぎず、シンプルで軽いので、敏感な息子でも嫌がりにくかったんですよね。
替えブラシも手頃なので、気軽に続けやすいのも助かっています。
おわりに
虫歯治療って、
大人でもちょっと緊張しますよね。
それが、
音やにおい、人の空気に敏感な子にとっては、
さらに大きな負担になることもあります。
だからこそ、
「前は無理だった」
=「ずっと無理」
ではないのかもしれません。
実際、息子も、
4歳では難しかったことが、
5歳では少しできるようになっていました。
もちろん、
子どもの成長もあると思います。
でもそれ以上に、
「安心できる環境」と出会えたことが、
大きかったのかもしれません。
繊細な子って、時間はかかっても、
安心できる場所ではちゃんと前へ進んでいけるんですよね。






