「F1って、ただ速いだけじゃないんだ!」レースを見始めると、ピットインや順位変動のタイミングなど、「これってどういうルールで動いてるの?」と気になることが増えてきますよね。
この記事では、F1初心者の方向けに、まず知っておきたいルールや仕組みをやさしく解説していきます。
F1のレースはどうやって勝敗が決まるの?
F1のレースでは、ゴールした順位によってポイントが加算され、年間を通してドライバーやチームがチャンピオンを争います。
- 1位:25ポイント
- 2位:18ポイント
- 3位:15ポイント (10位の1点までポイントあり)
このポイントが、「ドライバーズランキング」や「コンストラクターズランキング(チーム同士の戦い)」に反映され、シーズン終了時に年間チャンピオンが決まります。
わずか1ポイント差がチャンピオン争いを左右することもあるので、1点の価値がとても大きいのです!
ピットインとタイヤ戦略も勝負のカギ
F1のレースでは、少なくとも1回はタイヤ交換をすることが義務づけられています。
このタイミングと選ぶタイヤの種類が、順位に大きな影響を与えます。
ピットインとは?
ピットインとは、レース中にドライバーがピットレーン(整備エリア)に入り、タイヤ交換やマシン調整を行うこと。
F1では、少なくとも1回はタイヤ交換が義務付けられているため、ピットインはどのチーム・ドライバーにも必要なアクションになります。
ピットインがレースのカギになるほど重要な理由は、
① タイヤの性能が勝負を左右する
F1では、使用するタイヤによって「スピード」「持ち」「グリップ力」が大きく異なります。
タイヤの種類(2025年基準)
種類 | 特徴 |
---|---|
ソフト(赤) | グリップが強い・速いが減りやすい |
ミディアム(黄) | バランス型・万能タイプ |
ハード(白) | 長持ち・滑りやすいが安定性あり |
つまり、どのタイヤを「いつ」履き替えるかで、レースの流れが大きく変わるのです!
② ピットインの「タイミング」が超重要
- 早すぎると:あとでタイヤが持たないかも
- 遅すぎると:他のマシンに抜かれる可能性あり
- 他のドライバーのピット状況を見て、「アンダーカット(先に入って前に出る)」を狙う戦略も!
ピットのタイミング次第で、順位が一気に入れ替わることも珍しくありません。
③ ピット作業の速さも勝敗に影響!
- F1のピットストップは、通常2〜3秒で終わる超高速作業
- タイヤ4本を同時に交換し、0.1秒単位の差が順位に響きます
- トラブル(タイヤが外れない、機材ミスなど)があると数秒ロス=致命的!
ピットインは、ただの「タイヤ交換」ではなく、チームの判断力・戦略・技術のすべてが問われる勝負の瞬間です。
テレビ中継でも「誰がピットに入ったか?」「次はどのタイミングか?」に注目してみると、より深くレースを楽しめるようになりますよ!
知っておきたい「F1用語」あれこれ
DRS(Drag Reduction System)
- 追い抜きをサポートする仕組み
- 特定の直線区間で、リアウィング(F1マシンの後方(リア)に取り付けられている横長の羽のようなパーツ)を開いて空気抵抗を減らす
- 前の車と1秒以内に近づいたときに使える
「まさに今、抜くぞ!」というシーンで使われるので要チェック!
リアウィングの役目は、空気の力を使ってマシンを地面に押しつける(ダウンフォースを生む)こと。
F1マシンはものすごく速いスピードで走るため、そのままだとコースから飛び出してしまいかねません。
そこでリアウィングが“空気の壁”のような役割を果たし、車を地面に押しつけてグリップ(接地力)を高めているんです。
セーフティカー(SC)とは?
セーフティカーとは、事故や悪天候などでコース上に危険があるときに、レース中のマシンを先導して安全を確保するために走行する車のことです。
一般的にはAMGメルセデスやアストンマーティン製のスポーツカーが使用されています。
- クラッシュや悪天候時に出動する安全走行用の先導車
- 全車がスピードを抑え、事故処理が終わるまで一列走行
- レース再開後、ポジションが混ざる“再スタートのドラマ”が生まれることも
大きなクラッシュが発生したときやマシンの破片などがコース上に残っているときなどにセーフティカーが導入されます。
このとき、全ドライバーはセーフティカーの後ろにつき、一定速度で走る必要があります。
セーフティカー導入中のルールは、
- 追い抜きは禁止(全員が隊列を維持)
- ピットイン(タイヤ交換)は可能
- コース上の安全が確保され次第、セーフティカーはピットへ戻りレース再開(グリーンフラッグ)
セーフティカーがレースに与える影響
① 差がリセットされる!
セーフティカーが出ると、それまでのタイム差がリセットされます。
先頭から離れていたマシンも隊列に追いつくため、一気に大接戦に!
例:10秒リードしていたトップが、再開時に真後ろにライバルを背負うことに…
② ピット戦略が変わる!
SC中はスローペースで走っている=タイムロスが少ないため、
「このタイミングでタイヤを変えれば有利!」と、ピットインのチャンスとして使うチームも。
思わぬ順位変動が起こるので、レースが大きく動く可能性アリ!
③ レース再開直後がアツい!
SC明けはスタートと同じく一斉リスタートになるため、
「誰がうまく再加速するか?」「抜けるか?」という緊迫の瞬間が生まれます。
セーフティカーが出ている間にピットインすれば、通常(20〜25秒くらいのタイムロスが発生)よりはるかに少ないタイムロスで済むということもあり、セーフティカー中のピットインは“お得”ということになります。
ただ、セーフティカー中にピットインするチームは多く、複数台が一斉にピットへ殺到することもあります。
その結果、ピットレーン内の渋滞で出入りに時間がかかったり、タイヤ交換時に他車と接触するリスク(安全リリース違反)があったりするので、その辺りも含めピットインするかしないかの判断が重要になりますね。
その他の気になる用語
その他、F1観戦をしていてよく聞こえてくる基本用語をまとめてみます。
ラップやグリッド、トゥみたいな走り方のテクニックから、アンダーカットやオーバーステアみたいな駆け引きまで、ざっくりと押さえておきましょう。
用語 | 意味 |
---|---|
ラップ(Lap) | サーキットを1周すること。 レースは規定のラップ数で争われる。 |
スターティンググリッド(Starting Grid) | 決勝レースのスタート順。 予選の結果によって決まる並び順。 |
トゥ(Tow) | 前の車の後ろにぴったりついて空気抵抗を減らし、 スピードアップを狙う走行技術。 |
アウトラップ(Out Lap) | ピットアウト直後の周回。 タイヤを温めたり、レース準備を整えるために走る。 |
インラップ(In Lap) | ピットインするために走る周回。 タイヤやマシンをいたわりながらピットに戻る。 |
アンダーカット(Undercut) | 相手より早くピットインして、新しいタイヤで速く走り、 追い抜きを狙う戦略。 |
オーバーカット(Overcut) | 相手より遅くピットインして、 古いタイヤでも粘って順位を上げる戦略。 |
オーバーステア(Oversteer) | カーブで後輪が滑り、 車のお尻が出るように回り込んでしまう状態。 |
アンダーステア(Understeer) | カーブで前輪が滑り、 思ったよりも外側へ膨らんで曲がりきれない状態。 |
全部英語なのでややこしいですが、色んなF1用語が出てきますね~。
初心者の私は、最初聞いたとき全く分からなかった・・(苦笑)
日本のTV中継の解説では、その辺りのルールを詳しく教えてくれるのかな?
私は韓国の有料放送で見ていますが、解説者が結構詳しく解説してくれます。
毎回同じ人が解説者として登場するので、たぶんモータースポーツのマニアの頂点にいるような人なのかも(苦笑)全てのレースをLIVE放送をするくらいなので、韓国でもF1好きが沢山いるのでしょうね~。
年間チャンピオンの決まり方
F1では1年を通して、全24戦(2025年)が行われます。
各レースのポイント合計により、次の2つのチャンピオンが決まります:
- ドライバーズチャンピオン:最も多くのポイントを獲得したドライバー
- コンストラクターズチャンピオン:2人のドライバーの合計ポイントが最も多いチーム
「チームとしての強さ」と「個人としての速さ」、両方が評価されるのがF1の奥深さです。
2024年のF1チャンピオン
2024年に最も多くのポイントを獲得して、「世界一速いF1ドライバー」の称号を手にしたのは、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン選手でした!
これでなんと4年連続のチャンピオン。
安定感と速さの両方を兼ね備えた、まさに現代F1の王者といえる存在です。
シーズンを通して、マクラーレンのランド・ノリス選手との接戦も見応えがありましたが、ラスベガスGPでの成績をもってタイトルが確定しました。
コンストラクターズチャンピオン:マクラーレン
一方、チームの年間王者(コンストラクターズチャンピオン)に輝いたのは、マクラーレン・メルセデス!
【最終ポイント(チーム上位3位)】
順位 | チーム名 | 獲得ポイント |
---|---|---|
1位 | マクラーレン | 666点 |
2位 | フェラーリ | 652点 |
3位 | レッドブル・ホンダRBPT | 589点 |
フェルスタッペンのレッドブルではなく、ランド・ノリス選手とオスカー・ピアストリ選手という若手コンビが大活躍。
フェラーリやレッドブルとの接戦を制して、実に26年ぶりのチーム王者の座を勝ち取りました!
最終戦アブダビGPでのポイント争いは、まさに手に汗握る展開でした。
日本人ドライバーにも注目!
今年の日本GPからトップチームであるレッドブルに仲間入りした日本人ドライバーの角田裕毅選手。
2024年F1シーズンは、RB(旧アルファタウリ)チームでの活躍が光りました。
2024年シーズン・角田選手の主な成績
- 年間獲得ポイント:30ポイント
- 年間順位:12位
- 最高決勝順位:7位(オーストラリアGP、マイアミGP、ブラジルGP)
- 最高予選順位:3位(ブラジルGP)
- 入賞回数:9回
2024年シーズンを通じて、角田裕毅選手は予選・決勝ともに安定した成績を残し、チームのポイント獲得に大きく貢献。
日本グランプリ(鈴鹿)の角田選手は、10位でフィニッシュし、母国GPで自身初の入賞を果たしました。
特に印象的だったのは、レース中のタイヤ交換のタイミングで、一気に3台を抜くというピットでのオーバーテイクを成功させたこと。
あの瞬間、「ピットインが勝負を決めることもある」というF1の面白さが、まさに形になったシーンだったと思います。
角田選手の今後のさらなる活躍が、ますます楽しみですね。
ドライバーのプロフィールや活躍については、次回の記事で詳しく紹介予定です!
さいごに
「どうやって順位が決まるの?」「タイヤ交換にはどんな意味があるの?」「あの羽が開くのはなぜ?」
そんな疑問が一つずつクリアになっていくと、F1というスポーツがぐっと身近なものに感じられるようになります。
ルールを知れば、ドライバーやチームの判断、そしてその裏にある戦略や駆け引きにも自然と目が向くようになります。
ただ速い車が走っているだけではなく、そこに緊張感や人間ドラマがあるからこそ、F1は世界中のファンに愛され続けているのですね。
そして、そんな世界でわずか20人しかいないF1ドライバーの中に、日本人である角田裕毅選手がいるという事実。これは本当にすごいことなのに、日本ではまだその価値が十分に知られていないのが少し残念でもあります。
たとえば、角田選手が母国で入賞を果たした日本GPですら、テレビで中継されない現状があります。
F1というモータースポーツは、日本ではまだ“知る人ぞ知る存在”かもしれませんが、世界では、圧倒的な人気と影響力を持つスポーツ。
F1の魅力をもっと深く知りたいなら、Netflixの『Formula 1: 栄光のグランプリ(Drive to Survive)』がオススメ。
レースの裏側やドライバーたちの素顔がリアルに描かれていて、観た後はきっと推しチーム・推し選手が見つかるはずです!