韓国の小学校では、5時間授業でも下校時間は13時半。
「えっ、こんなに早く帰ってくるの!?」と、息子が入学してから私自身かなり戸惑いました。
韓国では、小学生のうちから塾をはしごするのが一般的。
とはいえ、気になるのはやはり高額な教育費です。
そうした負担を軽減するために、学校側でも放課後に“無料または安価”で参加できる学習プログラムを提供してくれています。
今回は、韓国の公立小学校における、子どもたちの放課後の過ごし方について、親目線のリアルな体験を交えながらご紹介していきたいと思います。
放課後の過ごし方
授業は早く終わり、宿題もなく、部活もない…。
そんな韓国の小学生たちは、放課後をどう過ごしているのでしょうか?
代表的な選択肢は以下の3つです。
- 各自、塾に通う(学習塾や習い事)
- パンガフ(방과후)=放課後授業プログラム
- トルボム(돌봄)=日本でいう学童
それぞれについて詳しく紹介していきます。
パンガフハッキョ(放課後学校)
多くの韓国の小学校で実施されている「放課後学校(パンガフハッキョ)」。
外部講師を学校に招いて、子どもたちが安価で習い事を受けられるシステムです。
■ 特徴
学校内で完結するため、保護者が送り迎えしなくてよいのも大きなメリット。
時間さえ合えば、複数の講座を受けることも可能で、子どもの興味や得意を見つけるきっかけになります。
ぼく、ロボットつくりたい!
うんどうもしたい!
我が家は学童に通っていないので、パンガフをフル活用!
毎日1つずつ、5つの講座を選びました。(小規模学校のため抽選なし)
外部の塾に通わなくても、学校内で充実した活動ができるので親子ともに満足です。
ちなみに、塾や習い事(テコンドー・水泳など)に通う場合、学校前まで送迎バスが来てくれるのもポイント。
そのまま乗って行き、帰りも自宅前まで送ってくれるため、送り迎えの負担がないのも人気の理由です。
トルボム教室(韓国の学童)
共働き家庭向けの「トルボム(돌봄)」は、日本でいう学童保育にあたります。
■ 特徴
高学年になると正規授業の終了時間が遅くなり、外部塾の利用が主流になるため、トルボムは主に低学年向けの制度です。
低学年から高学年へ。習い事の変化
韓国の教育文化あるあるとして、習い事の内容も年齢で大きく変化します。
テコンドーは就学前から週5で通うことも多く、なわとびやマット運動も含めた“基礎体力づくり”として高評価。
韓国の教育熱:ママは子どものマネージャー
韓国では、高校受験がなく最初の大きな試験が大学入試(スヌン/수능)。
そのため、大学進学に向けて幼少期から本格的に教育投資を行う家庭が非常に多いです。
ある家庭では、月10万円の英語幼稚園に通わせていたことも…
我が家とは少し異なる世界ですが、“幼少期からの早期教育が当たり前”というのが韓国の一般的な教育観といえるでしょう。
新1年生対象の新制度スタート
韓国では2024年から、一部の小学校で新1年生を対象とした新制度「ヌルボム学校(늘봄학교)」がスタートしました。
これは、学童(トルボム)に似た放課後支援制度ですが、
という点が大きな特徴で、共働きでない家庭でも利用可能です。(2024年時点)
ヌルボム学校の特徴(2025年時点)
ヌルボムは学童と似た運営ですが、「ケア」よりも「教育」に重点を置いた内容が特徴。
外部講師による専門的なプログラムもあり、より学習要素が強い制度です。
一方、トルボム(学童)は利用人数が多い場合、抽選や優先順位により入れないこともあるため、ヌルボムの「全員受け入れ」は保護者にとって非常に安心できる点です。

ぼくは週2回ヌルボムをやっているよ
こうして2024年にスタートしたばかりのヌルボム学校ですが、息子の通う学校も対象校に含まれていました。
入学してすぐに利用できるはずだったのですが、学校側が申請書をまだ準備しておらず、実際のスタートは3週間後に…(韓国、こういうところはけっこう適当w)
結果的に、学童(トルボム)を優先する子が多く、ヌルボムを希望したのは息子だけ。
週に2回、担任の先生とマンツーマンで学ぶ形に。
小規模校ならではの光景、、学校でたった1人の利用者となりました(苦笑)
ちなみに、ヌルボム制度が始まる前は、
という、正直かなり非効率なスケジュールになるため、今年からヌルボムが始まって本当によかったなと思います。
さいごに
韓国の小学生の放課後についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
息子が入学して1か月、ようやく学校生活にも慣れてきたところです。
中でも印象的だったのは、学校側が家庭の負担を減らすために多くの支援制度を用意してくれていること。
授業が早く終わる分、親のスケジュール調整は必要ですが、トルボム・パンガフ・ヌルボム、そして習い事などを活用すれば、意外と親の負担が少ないのかもと感じています。
我が家もまだ手探りの毎日ですが、制度に助けられながら、少しずつ前に進んでいます。