韓国では、子どもから大人まで「お肉好き」がとても多く、街には焼肉店がずらり。
家族や同僚、友人と食事をするなら「とりあえず焼肉!」というくらい、外食の定番メニューです。
日本では「今日は焼肉にしよう」とざっくり言うことが多いですが、韓国では「サムギョプサルにする?」「カルビ食べに行こうか?」のように、何の肉か・どの部位かを具体的に指定するのが特徴。
お肉の種類ごとに専門店も分かれていて、選ぶ楽しみもひと味違います。
韓国の焼肉文化の魅力は、おいしさだけではありません。
無料でたくさん出てくるおかず(パンチャン)や、包み野菜、特製ダレ、焼き方の流儀など、独自のスタイルとサービスがいっぱい!
この記事では、本場・韓国の焼肉店で感じた魅力や、おすすめの楽しみ方、実際に訪れたお店での体験談も交えながらご紹介していきます。
本場・韓国!焼肉店の魅力とは?
韓国の焼肉店では、自分でお肉を焼くお店もありますが、スタッフが焼いてくれるスタイルのところも多くあります。
これが、意外とありがたい!
焼き加減がとても難しいお肉も、絶妙なタイミングで裏返してくれたり、ハサミでカットしてくれたりするので、焼けるのを待っているだけで、最高の状態で提供してもらえるのは本当に魅力です。
牛・豚・鶏だけじゃない!多彩な肉のラインナップ
韓国の焼肉といっても、種類は実にさまざま。
牛肉・豚肉・鶏肉・鴨肉・羊肉など、部位ごとに専門店があるほどの豊富さです。
最近では、日本式のジンギスカン(羊肉)を出す店も韓国で人気を集めています。
無料のおかずが嬉しい「パンチャン文化」
そして、韓国焼肉で忘れてはならないのが、無料で提供されるおかず(반찬/パンチャン)の存在!
キムチやナムル、ピクルス、サンチュなど、注文していないのに次々と出てくるサイドメニューがテーブルを埋め尽くします。
しかも、最近の焼肉店はセルフバー形式のところも多く、2回目以降は自分で好きなおかずを好きなだけ取ってこれるスタイル。
食事のバランスも彩りも豊かになり、満足感がグッと高まります。
サムギョプサルは「包んで食べる」のが韓国流!
韓国焼肉の定番といえば、「サムギョプサル(삼겹살)=豚バラ肉」。
カリッと焼いたサムギョプサルを、サンチュ(葉野菜)に包み、キムチやニンニク、特製味噌などを一緒に巻いて食べるのが王道スタイル!
野菜と一緒に食べられるので、ヘルシーで罪悪感もゼロ(笑)。
韓国焼肉は、まさに「包んで楽しむ」食文化なんです。
韓国焼肉店での食事風景|注文したお肉と食べ方あれこれ
この日、我が家(夫婦+子ども1人)が注文したのは、
- センカルビサル(생갈비살)2人分:牛のあばら骨まわりの肉
- サムギョプサル(삼겹살)1人分:豚の三枚肉
お店のメニューには、オギョプサル(오겹살)という「五枚肉」もありましたが、基本の食べ方はサムギョプサル(三枚肉)と同じです。
違いは、「皮付きかどうか」。
オギョプサルは皮まで付いた5層構造、サムギョプサルは皮なしの3層構造になっています。

子どもにはやわらかいサムギョプサルがおすすめ
皮の部分は少しかためで噛みごたえがあるため、
お店のおばさまによると、小1の息子には皮なしのサムギョプサルの方が食べやすいとのことでした。
そして、このお店では、スタッフさんがテーブルでお肉を焼いてくれるスタイル。
もちろん炭火焼き!
焼くときに脂が落ちて煙は出ますが、専用の吸煙機がしっかり吸ってくれるので、店内は煙たくならず、服にニオイがつきにくいのが嬉しいポイントでした。

パンチャンも充実!豆腐やサラダも
テーブルには、定番の各種キムチ、ナムル、サラダがずらり。豆腐も出てきました!
おかずが充実していると、野菜も自然にたっぷり取れるのが韓国焼肉のいいところですね。
韓国の焼肉店でほぼ必ず出てくるのが、生のにんにく!
お肉と一緒にそのまま食べるのが一般的で、生のままパクッと食べる韓国の方々の強さにいつも驚きます(笑)
個人的には、鉄板で一緒に焼いて食べると、ホクホクして甘みが出てとても美味しい!
「ちょっとハードル高いな…」という方は、ぜひ焼いて試してみてください。

サンチュ・えごまの葉(ケンニプ)も主役級
お肉と一緒に食べる野菜も種類が豊富。
中でもおすすめなのが、ケンニプ(깻잎)=えごまの葉です。
サンチュの後ろに隠れていることが多いですが、日本のしそに似た、香りの強い大きな葉っぱで、ビタミンや抗酸化作用が豊富!
美肌やアンチエイジング効果も期待できると言われていて、女性には特に嬉しい野菜です。
韓国では、えごまの葉は日常の食卓にもよく登場する定番食材。
ちょっとクセがあるので好き嫌いはあるかもしれませんが、お肉との相性は抜群です。
ぜひ、サムギョプサルに巻いて一度味わってみてください!
お肉と相性抜群!韓国焼肉のタレいろいろ
本場の韓国焼肉で楽しめる魅力のひとつが、種類豊富な「タレ」。
お肉との相性や自分の好みに合わせて選べるので、ひと口ごとに違った味わいが楽しめます。

済州島のタレ「メルジョッ」
中央にあったのは、「メルジョッ(멜젓)」という済州島特有のタレ。
カタクチイワシを発酵させた塩辛のような味で、かなり塩気が強めです。
このお店が済州島産の豚肉を扱っているため、地域スタイルのタレが提供されていたようです。

サムギョプサルといえば「サムジャン」や「塩+ごま油」
一般的にサムギョプサルには、
- サムジャン(쌈장):コチュジャンベースの辛味噌(辛さ控えめ)
- 塩+ごま油:シンプルでお肉の味が引き立つ組み合わせ
がよく使われます。
辛いものが苦手な息子も、ごはんとお肉、サムジャンをサンチュでくるんで食べるのは大好き。
サムジャンはマイルドな辛さなので、子どもでも意外と食べやすいようです。

個人的には、塩や「玉ねぎ+酢醤油」のさっぱり系のタレが好み。
脂がのったお肉には、こうしたシンプルなタレが合いますね。
そして意外かもしれませんが、韓国では“きなこ”をお肉に付けて食べることもあります!
このお店では、豚皮(コッテギ)にきなこを付けて食べるように出してくれました。
サムギョプサルに付けて食べる人もいるようですが、焼いた豚皮の脂っぽさをやわらげるために、きなこを付けて食べるとのことです。
韓国焼肉では、「どれが正解」ではなく、好みで“何でもアリ”なのが楽しいところですね。
まだまだ続く!韓国焼肉の嬉しいサービス
驚いたことに、なんと豚の皮(コッテギ)をサービスで出してくれました!
思わず「わ〜い!」と喜んでしまうほどの嬉しい一品。

豚皮は美容にも◎なコラーゲン食材
夫いわく、「昔は豚皮が200円くらいで食べられたのに…」とのことですが、時代が移り変わり、このお店では単品価格で約900円ほどでした。
ちなみに豚皮は、コラーゲンがたっぷり含まれていることから、女性に人気の部位でもあります。
韓国女性の美肌の秘訣は、こうした食文化にも関係しているのかもしれませんね。
焼くとカリカリになって香ばしく、しっかりとした食感がクセになります!

チゲまで選べる焼肉店のシメ
さらに、テンジャンチゲ(韓国風味噌汁)かスンドゥブチゲ(やわらか豆腐チゲ)のどちらかを選べるサービスもありました。
私たちはテンジャンチゲを選んだのですが、お肉屋さんらしく骨付きカルビが入っていて絶品!
本場・韓国では、焼肉の後に冷麺やチゲでシメるのが定番スタイル。
焼肉店のメニューには、必ずと言っていいほど冷麺やチゲが載っています。
焼肉の“シメ”をより美味しく楽しむポイント
ここでワンポイントアドバイス。
冷麺やチゲを注文する前に、お肉を少し残しておくことを忘れずに!
残しておいたお肉を冷麺にのせて食べると、旨みと食感のバランスが絶妙でより満足度が上がります。

さいごに
これまで息子が幼くて外食は控えていましたが、今年から小学生になり、外食の機会も少しずつ増えてきました。
韓国では高身長が重視される傾向があり、健診のたびに「お肉をたくさん食べてね〜」と言われます(笑)
今回訪れた焼肉店は、自宅から徒歩3分の近所の人気店。
スタッフの方が焼きやすいようにお肉を切ってくれたり、子ども向けに辛くないタレを用意してくれたりと、心温まるサービスに感動しました。
それにしても、韓国の焼肉店の換気システムの優秀さには毎回驚かされます。
炭火の煙も匂いも、ほとんど気にならず快適!
韓国旅行を予定されている方は、“地元の人が多い店”と“清潔感のあるお店”を目安に選んでみてください。
有名店でなくても、美味しい焼肉はきっと見つかりますよ!