冬休みが明けたある朝。
学校内で行われる習い事に行く日だったのに、息子は玄関で固まって動かなくなりました。
「行かない!お母さんと一緒がいい!」
その姿に、私は保育園時代の行き渋りを思い出し、正直「またか…」と途方に暮れました。
HSC(ひといちばい敏感な子)は、環境や人の感情に敏感に反応します。
新学期や長期休み明けなど“いつもと違う状況”は、安心できる習い事でさえ「不安な場所」に変わってしまうのです。
HSCと母子分離不安は長く続くことも
一般的に母子分離不安は2〜3歳で落ち着くと言われます。
でもHSCの子は違います。
息子も小学生になった今でも、私がトイレに行くだけで不安になることがあり、強い安心感を手放すのがとても苦手です。
「大好きな習い事なのに行けない」── これは単なるわがままではなく、HSCの気質と母子分離不安が重なって起こる自然な反応なのだと思います。
習い事を嫌がるよくある理由
息子のケースを振り返ると、こんな状況で「行きたくない」が出やすいと感じます。
特にHSCは「昨日まで大丈夫だったこと」が、ちょっとしたきっかけでまた不安に戻ることがよくあります。
離れる練習は少しずつで大丈夫
保育園時代から行き渋りを繰り返してきた息子。
泣いて服をつかんで離さないこともありました。
そのたびに「どうしたらいいの?」と悩みましたが、繰り返す中で気づいたことがあります。
それは、離れる練習は“短く淡々と”がポイントだということ。
最初は大泣きでも、少しずつ「別れても大丈夫」という経験が積み重なっていきます。
息子も、ある日ふと「じゃあ行ってくるね」と自分から言えるようになりました。
その瞬間を見たとき、私は胸が熱くなりました。
環境が合うと、不安はぐっと減る
HSCにとって「環境の質」はとても大きいです。
逆に、大人数や声が大きな先生の環境では「やってみたい」気持ちがあっても不安が勝ってしまいます。
一目でわかる!HSCに合いやすい習い事ジャンル
我が家の体験や周囲の声をもとに、「母子分離不安が強い子にとって安心しやすい習い事」をまとめてみました。
ジャンル | 習い事例 | HSC相性 | ポイント |
---|---|---|---|
🌿 芸術系 | ピアノ・書道・絵画 | ◎ | 静かで落ち着ける。親が見学できる場合が多い。 |
🤸 スポーツ系 | 水泳・柔道・ヨガ | ◯〜◎ | 体を動かして発散できるが、先生や人数によって差が大きい。 |
🏡 オンライン系 | 英会話・そろばん | ◎ | 自宅で安心。親が隣で見守れるので母子分離不安が強い子でも始めやすい。 |
🔊 大人数系 | サッカー・大規模武道 | △〜× | 掛け声・人の多さが不安の原因になりやすい。 |
もちろん個性によって違いはありますが、「母子分離不安が強い時期はオンラインや見学可能な教室から始める」というのが安心な選択肢だと感じます。
我が家のケース:水泳と陶芸は安心材料に
実際に息子の場合も、水泳や陶芸のように親が近くで見ていられる習い事は「行けそう」と前向きになれました。
反対に、大人数の武道教室では見学だけで終わってしまい「まだ早いかも」と感じました。
「ジャンルでおおよそ合いそうかを判断 → 実際に体験して本人の反応を確認」
この二段階で進めると、無理のない選び方ができると思います。
やめどきの判断基準
親として迷うのが「嫌がっても続けるべきか?」という点です。
我が家では、次のようなサインが出たら見直すようにしています。
無理に続けさせるのは逆効果。
「やめてもいい」と伝えると、子どもの気持ちがふっと軽くなることもあります。
オンライン習い事は安心な選択肢
「お母さんのそばで学びたい」子には、オンライン習い事もおすすめです。
▶ネットdeそろばん:集中力アップ

▶ハッチリンクジュニア:親が横で見守れる英会話

▶LITALICOワンダー:プログラミング・ロボットで創造力を伸ばせる

自宅という安心感の中で挑戦できるので、HSCの“最初の一歩”にぴったりです。
まとめ:嫌がるのは、信頼の証
「小学生にもなって母親と離れられないの?」と周囲に言われたこともあります。
でも今は気になりません。
HSCにとって親から離れるのは、安心を手放すこと。
それは親を深く信頼している証拠でもあります。
焦らず、子どものペースに合わせて。
安心できる環境を一緒に探していけば、HSCの子は必ず少しずつ前へ進んでいけると信じています。