韓国には、日本のお盆にあたる伝統行事「秋夕(チュソク/추석)」があります。
祖先を敬い、家族が集まって過ごす、大切な名節のひとつです。
2025年は、10月6日(月)が秋夕当日。
例年は5連休ほどですが、今年は前後の祝日と週末がうまく重なり、なんと最大10連休の超大型連休に!
この時期に韓国旅行を予定している方は、百貨店や飲食店の営業日を事前にチェックしておくと安心ですよ。
秋夕(チュソク)ってどんな行事?
秋夕(チュソク)は、旧暦8月15日に行われる韓国の伝統的な名節。
秋の収穫に感謝し、先祖に礼を尽くす、いわば「韓国版のお盆」です。
日本と似ている部分もありますが、実際に体験すると、儀式の形式や家族の集まり方、食文化などに韓国らしさがしっかり残っています。
2025年の秋夕の日程
秋夕の過ごし方と伝統行事
秋夕は、ただの帰省ではなく、家族や親戚が集まって、先祖に感謝の気持ちを伝える大切な日。
韓国では、秋夕の朝に行われる儀式や特別な料理の準備を通して、家族の絆を再確認する文化が今も残っています。 一方で、最近は家庭ごとのスタイルに合わせて、もっと自由な過ごし方をする人も増えてきました。
茶礼(チャレ)|家族で先祖に祈る
秋夕の朝には、「茶礼(チャレ)」という儀式を通して、
先祖への感謝の気持ちを表すのが韓国の伝統です。
料理や果物をきれいに並べてお供えし、家族みんなで手を合わせます。
ただし、この儀式には料理の種類や並べ方、順序など細かなルールが多く、
正直、私はいまだに完全には把握できていません(苦笑)。
我が家も毎年、朝早く義実家に行ってチャレに参加していますが、
宗教やライフスタイルによって、形式を省略する家庭もあります。
特にキリスト教を信仰する家庭では、チャレは行わず、
その代わりに親族で集まって食事会だけを開くケースも多いようです。
墓参(ソンミョ)|お墓を訪ねて感謝を伝える
チャレの後には、お墓に行って手を合わせる「ソンミョ(성묘)」をする家庭も多いです。
うちはお墓がかなり遠方にあるため、私は実際に行ったことがないのですが、
毎年義父がチュソク前に草刈りや掃除をしているそう。
現代のチュソク:形式より“自分たちらしく”
最近のチュソクは、昔ほどかっちりした行事じゃなくなってきたなぁと感じます。
チャレやソンミョを省略して、その分旅行に行ったり、家族でゆっくり過ごすスタイルも増えてきました。
あと、昔みたいに「チュソクだから全部お店が休み!」ってことも少なくなってきたので、
働く人も多くて、親戚全員がそろうのって、実はなかなか難しかったりもします。
名節料理を山ほど作って、集まって、食べて、配って…
そういうのもすごく大切だけど、今の生活にはちょっと合わないな〜って感じる人も多いのかも。
共働き家庭も多いし、無理せず、自分たちに合ったチュソクの過ごし方でOKという
空気が少しずつ広がってきてる気がします。
※我が家のように全く変化のない家庭もまだまだ存在していますよ(笑)
秋夕に贈るギフト文化|韓国のお中元のような習慣
秋夕が近づくと、親族や知人、職場関係などへ「チュソクギフト」を贈る習慣があります。
日本でいうお中元に近いイメージですね。
定番ギフトアイテム

我が家には、フルーツ詰め合わせが届きました。
定番の梨・ぶどう・りんごのセットで、この時期よく見る金色の風呂敷付き(笑)
見た目は立派だったけど、梨はちょっと甘さ控えめでした。。
実用性の高い人気ギフト

届いたスパムたち。多い~
最近はヘルシータイプや植物性のスパムもあって、油っぽさが控えめで食べやすかったです。
健康志向ギフトも人気

私も今年、義両親にホンサムを贈ったところ喜んでもらえたので、
日本の両親にも追加で購入してみました。健康第一!
ギフトの相場は?
チュソクギフトの相場は、3万〜30万ウォン(約3,000円〜3万円)くらいが一般的。
相手との関係性や立場によって、選ぶ品や金額のバランスを考えることが多いです。
ただ正直なところ、いちばん喜ばれるのは現金!(笑)
商品券を贈ることもありますが、特に年配の方には「悩むくらいなら現金が一番」とよく言われます。
気をつかいすぎず、気持ちが伝わることが一番大事かもしれませんね。
ソンピョン(송편)|秋夕に欠かせない伝統餅
秋夕といえば、韓国の伝統餅「ソンピョン(송편)」も欠かせません。 うるち米の生地にごまや栗、あんこなどを包み、松の葉を敷いて蒸すお餅です。
半月型のかわいい見た目で、最近はカラフルなお花の形や冷凍タイプのものも登場しています。
「ソンピョンをきれいに作ると、良縁に恵まれ、かわいい子どもに恵まれる」 そんな言い伝えもあって、秋夕前に家族みんなで手作りする家庭もあります。
うちでも、今年は息子が料理教室で作ってきたソンピョンを持ち帰ってくれました。

あんこや栗入り、白あんなど、いろんな味があって楽しかったです!
日本のお盆との違いは?
韓国では「名節病(ミョンジョルビョン)」という言葉があるほど、家事の負担が話題になることも(汗)
最近は、お惣菜やデリバリーを活用したり、集まり自体を簡素化する家庭も増えてきている印象です。
まとめ|秋夕は「感謝」と「つながり」の文化
秋夕(チュソク)は、家族の時間を大切にしながら、祖先に感謝を伝える名節です。
贈り物や儀式を通して気持ちを伝えたり、手作りの餅を囲んだり。
形式だけでなく、心を込めて「感謝を伝えること」がいちばん大切なのかなと思います。
2025年は特に長い連休になることもあり、韓国文化を知るチャンスとしてもぴったりの時期。
旅行や交流を通して、秋夕の魅力を体感してみるのもおすすめです。