うちの息子はHSC(ひといちばい敏感な子)。
音や人の気配にとても敏感で、大きな音や急な声かけに驚きやすく、初対面や新しい場所ではガチガチに緊張してしまいます。
そんな息子ですが、今は少人数の学校に通い、落ち着いた環境でのびのび過ごせています。
そして何より、体を動かすことが大好き!
そんな彼に、“学校以外でも自信が持てる場所”を作ってあげたくて、今回、初めて習い事にチャレンジすることにしました。
繊細な子にとって習い事はハードルが高いけれど、
「楽しい」と思えることを通して、少しずつ世界を広げていけたら──。
そう思って選んだのが、「柔道」でした。
HSCの子にとって、習い事でつまずきやすいポイント
本人の中でも、「やってみたい気持ち」と「環境への不安」がせめぎ合っています。
だからこそ、“安心できる教室”や“信頼できる先生”との出会いが、習い事を続けるうえで本当に大きな鍵になると感じています。
実際、以前見学したテコンドー教室では、やる気があったにも関わらず、人数の多さやにぎやかな雰囲気に馴染めず、入会には至りませんでした。
柔道を選んだ理由|声が小さく人見知りな息子に合いそうな習い事
うちの息子は家ではよくしゃべりますが、外では一気に静かになり、人見知りも強め。
挨拶も苦手で、声も小さめです。
そんな息子に合う習い事って何だろう?と考えたときに、自然と目が向いたのが「武道系」。
体を動かしながら自然と声出しの練習もできるし、礼儀を重んじる環境なら、あいさつや人とのやりとりにも慣れていけるのではと思いました。
そしてもう一つ、柔道に期待していたのが「ストレス発散」。
HSCの子は感情を内にためこみやすいため、身体を動かすことで自然に気持ちをリセットできる時間が作れたら…という思いがありました。
柔道教室との出会い|「これはチャンスかも!」
ある日、近所で「柔道教室オープン!」の貼り紙を見つけたのがきっかけ。
「これは今かもしれない」と感じ、すぐに体験レッスンを申し込みました。
体験当日、新しい道場で出迎えてくれたのは、若くて穏やかな先生。
子どもの様子を丁寧に見てくれて、決して急かさず、寄り添うような雰囲気に、私の方がまずホッとしてしまいました。
マンツーマンで15分ほど行われたレッスンでは、受け身の練習を中心に。
息子は先生の動きを真剣にマネし、最後には投げられて受け身を取った瞬間、目がキラッと輝いていたのが印象的でした。
「ぼく、柔道にかよう!」という言葉がすべてだった
体験レッスンの帰り道、息子がぽつりと言った一言。
ぼく、柔道にかよう!
うちの子は、少しでも不安があると「やりたい」とは絶対に言わないタイプ。
だからこそこの言葉は、彼の本心からのサインだと思いました。
私は、習い事はあくまで“きっかけを用意するだけ”だと考えています。
無理に続けさせる必要はないけれど、本人が「やる」と決めたなら、その気持ちは大事にしたい。
これから一緒に、少しずつ積み重ねていけたらと思っています。
テコンドー教室との違いと、柔道の決め手
テコンドーも柔道も「武道」ではありますが、環境は大きく違いました。
以前のテコンドー教室はとても活気があり、生徒数も多く、HSCの息子にはやや刺激が強すぎました。
今回の柔道教室は、新しく開校したばかりで生徒も少なく、空気がとても落ち着いています。
そして何より、先生との相性がよかったのが決め手です。
HSCの子には、少人数で静かな雰囲気の教室や、スタート時に生徒数が少ない教室を選ぶことで、環境に慣れやすくなると感じました。
繊細な子にも安心!柔道教室選びでよかった4つのポイント
この柔道教室に通い始めて、「うちの子に合うって、こういう場所なんだな」と感じたことがいくつかあります。
今回は韓国という土地柄、日本ほど選択肢が多くはありませんでしたが、だからこそ“ぴったりの場所”に出会えたのは、とても幸運でした。
ここでは、実際に通ってみて「これが決め手だった」と感じた4つのポイントを紹介します。
1.怒鳴らず、追い込まない先生
→ 息子にとって、静かに寄り添ってくれる先生は“安心できる存在”。少しずつ信頼関係ができていくのが見えました。
2.生徒数が少なく、落ち着いた空間
→ HSCの子には“静かさ”と“余白”のある場所が何より大切。新しい教室だったことで、空間にもゆとりがありました。
3.異年齢との自然な関わり
→ 同じ時間帯に中高生のお兄さんたちがいて、息子はよく声をかけてもらっています。無理なく“可愛がってもらえる関係性”が、安心感にもつながっています。
4.通いやすい距離・送迎不要
→ 徒歩3分の距離なので、送り迎えもラク。親も子もストレスなく続けられる環境です。
※ちなみに、韓国では「週に何回通っても月謝がほぼ変わらない」スタイルが多く、今回の教室も週3〜5回通えて月15,000円ほど。この仕組みも運動が好きな子には嬉しいですね。
初めての習い事、そして見えてきた変化
いよいよ、初めての習い事。
柔道教室の初日は、「ひとりで教室に入れるかどうか」が最大のハードル。
結果は……15分間、離れられず(苦笑)
実は通っている時間帯がたまたま生徒が少なく、マンツーマンレッスン。
人が多いのもイヤだけど、誰もいないのも不安という、HSCらしい繊細な反応に「やっぱりな~」と思わされました。
でも先生も無理に誘導せず、私は静かに見守り。
そして息子が自分から放った一言。
じゃあ行ってくるから、お母さんは先に行って
しぶしぶではありましたが、自分で一歩を踏み出しました。
レッスン後は、
楽しかった!次から1人で行けそう!
その言葉通り、翌日からは自分から「バイバイ」と手を振って、スッと教室へ。
“楽しい”という気持ちが、不安を超える瞬間でした。

おわりに|HSCの子にとって“合う習い事”とは
柔道が息子にとって一番向いているかどうかは、正直まだわかりません。
でも、「心の軸」や「礼儀」「人との関わり」を学べる場として、一歩踏み出してみて本当によかったと思っています。
HSCの子はとても繊細で敏感ですが、その中に強さや自分なりのペースをしっかり持っている子が多いです。
“合う場所”と“安心できる人”に出会えたとき、HSCの子は驚くほど前に進める。
それをこの経験から改めて感じました。
まだ始まったばかりの柔道生活。
これからも息子のペースで、小さな挑戦と成長を見守っていきたいと思っています。
同じように「HSCの子に合う習い事」を探している方の参考になれば嬉しいです。
焦らず、比べず、その子に合ったペースで進めますように。