韓国家庭の味「えごま油」って?ごま油との違い・使い方・簡単ナムルレシピも

えごま油とは? 暮らしと買いもの帖

韓国で暮らしていると、食卓に毎日のように登場する油があります。
それが、えごま油(들기름/トゥルギルム)

香ばしくてクセがなく、どんな料理にもすっとなじむやさしい風味。
特にナムルやスープの仕上げにちょこっとかけるだけで、料理の印象がぐっと変わる、頼もしい存在です。

でも、日本ではまだあまり知られていなくて、
「ごま油とはどう違うの?」「どうやって使えばいいの?」と感じる方も多いかもしれません。

先日、韓国の農村で農業体験をしたときに、搾りたてのえごま油をお土産でもらいました。
ナムルの仕上げにかけられた黄金色の一滴が、 ふわっと広がる香りとともに素材の味をやさしく引き立てていて、忘れられないおいしさでした。

この記事では、えごま油の魅力を ・ごま油との違い ・栄養や使い方 ・韓国家庭のナムルレシピ と一緒に、わかりやすくご紹介していきます。

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えごま油とごま油の違い

韓国料理でよく使われる「ごま油」と「えごま油」。
どちらも香ばしさが魅力ですが、風味や使い方にはしっかりとした違いがあります。

まず、原料がちがいます。
ごま油は「ごま」から作られ、香り高くてコクのある風味。
えごま油は「えごま(シソ科の植物)」の種から搾られていて、
クセが少なくて軽やかな味わいです。

ごま油は炒め物や焼き物など、加熱調理にぴったり。
えごま油は熱に弱く酸化しやすいので、非加熱の料理や仕上げに使います。

たとえば、 炒め物やチヂミにはごま油、 ナムルやスープにはえごま油。

使い分けるだけで、料理の美味しさがぐっと引き立つんです。

それから保存方法もちがいます。
ごま油は常温でOKですが、えごま油は冷蔵庫での保存が基本。
開封後は1〜2ヶ月以内に使い切るのが理想です。

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えごま油の栄養と効果

えごま油は、「体にやさしい油」として注目されている植物油。
あまに油(亜麻仁油)と同じように、オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)をたっぷり含んでいます。

現代の食生活ではなかなか摂りにくい良質な脂質を、
ふだんの食事の中で自然に取り入れられるのが嬉しいポイントです。

主な栄養成分と働き

  • オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸):脳や血流のサポート、肌の潤いにも◎
  • DHA・EPAの前駆体:記憶力や集中力の維持に関わります
  • リノール酸(オメガ6):細胞膜やホルモンバランスのサポートに
  • ビタミンE(トコフェロール):抗酸化作用で老化や炎症対策に
  • γ-トコフェロール:肌のバリア機能を助けて保湿やくすみケアにも

💡 POINT
香ばしさと栄養のバランスがよくて、サラダやスープなどふだんの料理に気軽に使えるのが魅力です。
他の健康系オイルと比べても、えごま油は「香ばしさ」と「栄養価」のバランスがとれているのが特長。

生えごま油とは?

韓国のスーパーで「えごま油(들기름/トゥルギルム)」を探すと、
炒りタイプと生タイプの2種類が並んでいます。

生えごま油は、えごまの実を焙煎せず、低温でじっくり搾ったもの。
クセが少なくてやさしい香りがあり、仕上げの香りづけやそのまま飲む使い方にも向いています。

加熱していない分、熱に弱い栄養素がしっかり残っているのも特長。
体をいたわりたいときにぴったりの油です。

現地での使い方(一例)

私の周りでは、こんなふうに使うのが定番です:

  • 朝、空腹時にスプーン1杯をそのまま
    → 健康習慣として、現地ではよく見かける飲み方です。
  • ナムルやおかゆの仕上げにひとまわし
    → やさしい香りとコクが加わり、素材の味が引き立ちます。
  • 火を止めたスープに数滴加える
    → スープがまろやかになって、香りもふんわり広がります。

黄金色のオイルは、まるで“食べる滋養”。
見た目もきれいで、キッチンに1本あるだけでちょっと気分が上がります。

選ぶときは、次のポイントをチェックすると安心です:

  • 「低温圧搾」「非加熱」などの表示があるもの
     → 栄養がしっかり残っている可能性が高いです。
  • 遮光瓶&冷蔵配送タイプ
     → 光や熱を避けることで酸化しにくくなります。
  • 100〜150mlの少量サイズから試す
     → 初心者でも使い切りやすく、風味もキープできます。

香りがやさしくて、栄養もたっぷり。 そんなえごま油は、ちょっとしたひと手間で、毎日のごはんにやさしさを足してくれる存在です。 味にも違いがあるので、一度試してみると、そのまろやかさと体へのやさしさに驚くかもしれません。

えごま油の使い方

えごま油はクセが少なく、素材の味を引き立ててくれる名脇役。

基本は“仕上げに使う”のがポイント。
炒め物にも使えますが、香りを楽しみたいなら非加熱がおすすめです。

おすすめの使い方

  • ナムルやビビンバの仕上げに:香りがふわっと広がり、本場っぽさが出ます
  • 冷奴やサラダにひとまわし:コクが出て、シンプルな料理が引き立ちます
  • 卵かけごはんにプラス:まろやかでコクのある味に
  • スープの仕上げに数滴:野菜スープやわかめスープとの相性◎
  • 朝の健康習慣に:生タイプをスプーン1杯、そのまま飲む方も多いです
  • 炒め物の仕上げに少し加える:香ばしさがちょい足しできます

冷蔵庫に1本あると、「ちょっと使ってみようかな」と気軽に取り入れられるのがいいところ。

ズッキーニのナムルレシピ

最後に、えごま油を使った簡単レシピをご紹介します。

冷めても美味しく、冷蔵庫で2〜3日保存可能。
白いごはんにも、お弁当にもよく合う、やさしい韓国家庭の味です。

材料(2〜3人分)

  • ズッキーニ(またはエホバク)…1本
  • 玉ねぎ…1/2個
  • 長ねぎ…1/2本
  • ニンニク(みじん切り)…小さじ1
  • セウジョ(アミの塩辛)…小さじ1〜2
    ※なければ塩でもOK
  • 砂糖・塩…各少々
  • サラダ油…適量
  • えごま油…小さじ2
  • 白ごま…適量

📌 アミの塩辛について
セウジョは、小エビを塩漬け発酵させたもので、
ナムルやスープの隠し味、キムチ作りにも欠かせない韓国の定番食材です。
少量でもしっかり味が決まるので、韓国料理をよく作るなら1つ持っておくと便利。
冷蔵庫で長期保存もできます。

作り方

① ズッキーニを切って下ごしらえ

ズッキーニを半月切りにして、軽く塩をふり10分ほど置きます。

ズッキーニのナムルレシピ① ズッキーニを切って下ごしらえ

👉 水気が出ることで炒めても崩れにくく、仕上がりがきれいになります。

② 野菜を準備する

玉ねぎは薄切り、長ねぎは小口切り、ニンニクはみじん切りにします。
👉 ズッキーニは塩をしたあと、水気をしっかり切っておきましょう。

③ 炒める

フライパンに少量の油を熱し、ズッキーニとニンニクを加えて中火でさっと炒めます。
アミの塩辛、玉ねぎ、長ねぎを加えてさらに炒め合わせます。
👉 セウジョがなければ塩で代用してもOK。

ズッキーニのナムルレシピ③ 炒める

④ 調味する

砂糖と塩で味を整え、白ごまを加えます。

ズッキーニのナムルレシピ④ 調味する

⑤ 仕上げ

火を止めてからえごま油をまわしかければ完成!
👉 えごま油は加熱せず、最後に加えるのが香りを楽しむコツです。

🌱 コラム:料理名について

この料理は韓国語で、エホバクポックム(애호박볶음)と呼ばれます。
直訳すると「韓国かぼちゃ炒め」ですが、実際はズッキーニにとても近い食材。
韓国家庭の定番おかずで、ナムルと同じように食卓に並ぶことが多いです。

まとめ:えごま油の魅力を毎日のごはんに

えごま油は、日本ではまだあまり知られていないけれど、
韓国の家庭ではすっかり定番のやさしくて頼れる油です。

クセが少なく、ほんの少し加えるだけで
いつもの料理がふんわり香ってちょっと特別な一品になります。

栄養もしっかり摂れて、無理せず続けられるのも魅力のひとつ。

日本に帰るときは、えごま油をお土産に。
家族や友人にも「韓国の味」を楽しんでもらっています。

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