五感を刺激する自然体験は、子どもの心と体を育てる

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子どもが自然のなかで遊ぶことはとても大切です。けれど、なぜ自然と触れ合うことが大事なのでしょうか?

幼児期に特に重要とされる自然体験は、山や森という大自然のなかで遊べば遊ぶほど、子どもの心と体の発達を促してくれます。
先ずは、家の近所の散策からスタート。子どもはきっと、きれいな花や小さな昆虫たちを見つけて自然に興味を持つでしょう。

自然のなかで五感をたくさん刺激して、幼児期にこそ良く育つ「感性」を磨きましょう!

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幼児期の成長に欠かせない「五感の発達」

鳥のエサの木の実

子どもたちの脳や体の成長に欠かせない「五感」は、外からの刺激を受けて発達します。

赤ちゃんは、生まれる前からお母さんの声で聴覚が刺激されています。抱っこをされて触感が育ち、食べることや飲むことで味覚や嗅覚も発達するように、様々な五感からの刺激によって、子どもたちの脳や体は成長していこうとするので、穏やかで良い刺激をたくさん与えてあげたいですね。

五感を鍛える簡単な方法は、自然の中に身を置くこと。
車やテレビなどの人工的な音よりも、葉っぱのを踏む音や虫の鳴き声のほうが人間には自然な音。ただ森のなかにいるだけでも、良い刺激を受けられるのです。

自然のなかでできる五感の育み方をまとめてみました。
親子で散歩しながら、ときどき自然遊びのヒントになるような声かけをしてあげると、子どもが自然に興味を持つようになりますよ。
※先に保護者が安全を確認してから、子どもに体験させてあげてくださいね。

  • 視覚(見る):その季節にしか出会えない草木の色や葉っぱの色、景色をじっくり見てみる。「冬になって葉っぱは何色になったかな?」色の変化でも、季節を感じるようになります。
  • 味覚(味わう):花や植物の蜜を吸ったり、木の実が甘い、すっぱい等を感じてみましょう。
  • 聴覚(聴く):耳を澄ませて自然の中で鳥や動物たちの声を聴いてみましょう。「鳥はどうやって鳴いている?なにを話していると思う?」と子どもに質問すると楽しい答えが返ってくるかもしれません。風や川の音も良いですね。
  • 嗅覚(かぐ):自然の匂いや香りを感じましょう。草や木の葉の匂いを嗅いで、どんな匂いがするか子どもに聞いてみましょう。天気や季節ごとでも違いますよね。
  • 触覚(触れる):葉っぱを踏んだり、たんぽぽのふわふわを触ったり、ざらざらした木を触って感じてみましょう。アリやセミなど昆虫を触ったり掴んだりしてみましょう。

「何か特別なことをしよう」と難しく考える必要はありません。山や森のなかを散歩しているだけで、遊びが生まれてきます。

自然体験から得られるもの

森林体験で鳥のエサ作り

次に、「自然体験を続けていくことで、子どもに身につくもの」を挙げてみます。
自然体験のなかで得られるものをアレコレ考えてみましたが、メリットしか思いつかないほど、自然のなかで遊ぶことをお勧めしたい!と、改めて思いました。

  • 生活リズムが整う
  • 体を動かす習慣がつき、筋力やバランス力がつく
  • 五感が刺激され、脳の活性化・体の成長につながる
  • 自分で考えて行動できる力が育つ(問題解決能力、発想力、想像力など)
  • 自然を大切にする優しい心が育つ

太陽の下でたくさん遊ぶと、お腹が空いて食事が進み、体が疲れるのでよく眠れます。自然遊びを取り入れるだけで、「生活リズム」が整ってきます。

そして、山や森のようなデコボコ道歩くことで自然と足腰が強くなり、バランス能力を鍛えられます。運動不足解消にも役立ちます。

また、自然の中は不思議なことであふれているので、子どもたちは、「この木の穴はなんのためにあるの?」「この木の実は食べれるのかな?」など、質問をたくさんしてきます。自分で疑問を解決しようと試行錯誤するでしょう。
自然に親しみを持つことで学びにつながり、自然や環境を大切にする気持ちが生まれます

親子で散歩する以外にも、たまに友だちを誘って山のなかで一緒に遊んだりするとまた違った楽しさがあります。
森体験・自然体験などのプログラムなどに参加してみるのも良いですね。専門の先生から色々な遊びを教えてもらえますし、親子ともに「同じような価値観を持つ新しい友だち」と知り合えるチャンスです。

もちろん近くの公園での外遊びも、たくさんのいい影響を与えてくれます。ですが、やはり「本物の大自然の中で遊ぶ」ことをオススメしたいです!

公園にあるような遊具がなくても子どもたちはよく遊びますし、むしろ何もない環境だからこそ、自分の想像力を働かせて、遊びを作り出すようになります。
おもちゃや道具を与えなくても、木や葉っぱ、虫や花、川の水や土や石など、自然の中にあるものだけで遊べることは、素晴らしいスキルですよね。

自然体験を続けた子どもは、どう育つのか

私は保育園の子どもたちと、何度か山歩きに参加したことがあります。
大人でもキツイ山道を子どもたちは平気でスイスイ歩くし、それぞれがキレイな花を見つけたり、珍しい虫を観察したりと楽しみを見つけながら歩いていました。

自然のなかで遊ぶような経験を続けていくと、「感受性」がよく育ちます。
感性が育つことで、想像力も思いやりの気持ちも出てきます。それが、「自分で考えて行動し、解決する力をつけること」にもつながります。
自然を愛する子どもたちは、小さなことにも感動できる純粋で素直な心を持っています。スレておらず、とても「子どもらしい子どもに育つ」のではないでしょうか。

山歩きが好きな息子の変化

さて、私の息子は0歳から毎日近所の公園、4歳から毎週山歩きに出かけています。
近所の公園は、散歩コースがあるほど自然豊かですが、やはり山はスケールが違います。
保育園の週1回ある山歩き体験を通じて、子どもに次のような変化がありました。

息子
息子

山を歩くのだいすき!
きれいな石や木の実を見つけるよ。

  • 山に行くことが、とにかく楽しみ!
  • 体を使った遊びは、言葉がなくても友だちと仲良くなれると気づく
  • より美しいものを探そう、同じように作ってみようとする
  • 虫や花、鳥や動物に興味がわき、もっと知りたくなる
  • 自然や地球を大切にしようという気持ちが育つ
  • 感性が豊かになり、多面的に物事を見ようとする
  • 物語をつくるようにお絵描きをする など

HSCである息子は人見知りがあり、子どもであってもとても警戒します。
特に、恥ずかしすぎて「初対面の人と話す」ことが苦手。小さな園内で子どもたちと一緒に遊ぶことができなかった息子は、初めて山歩きに行ったときから急激に変わりました。

山に行くと、体をよく使うのであまり言葉を交わさなくても友だちと遊ぶことができます
山道も友だちと一緒に歩けばそれだけで楽しいし、木の枝や花を集めたり、川に入ったり、、自分の好きな遊びをするなかで同じような興味を持つ子どもと親しくなり、辛いことは助け合えるようになりました。

言葉についても、感性が育つことで様々な表現ができるようになりました。
季節ごとに変化する自然の微妙な違いを見つけるようになり、描いていた絵にもストーリーが生まれ、使う色にも変化が出てきました。葉っぱも花も一色で塗るのではなく、グラデーションになっているのをみて感動した記憶があります。

自然体験を繰り返し続けることで、何かしら子どもに良い影響がでてきます。
子どもだけではなく、一緒にいる大人も自然遊びに夢中になるかもしれません。

子どもと一緒に山を歩き、たくさん話して一緒に遊んで考えて、、これだけでも素晴らしい教育です。
楽しい思い出を作りながら、子どもの健やかな成長のために自然遊びをしてみてはいかがでしょうか。