~「学校に行きたくない」は、特別なことじゃない~
夏休みが終わって、いよいよ2学期がスタート。
久しぶりの友だちとの再会にわくわくした気持ちもある一方で、この時期、「学校行きたくない」「朝起きられない」「お腹が痛い」といった登校しぶりのサインが出る子どもも少なくありません。
文部科学省の調査でも、不登校のきっかけが最も増えるのが夏休み明けの時期だと言われています。
でも、これは決して“特別なこと”ではないと思うんです。
新学期は、大人にとっての「仕事初め」よりもずっと、子どもたちにとってプレッシャーの大きいスタート。
それでもなんとか頑張ってる子もいれば、
「行きたくない」と言葉にできる子、できない子、
無理に笑顔を作ってる子、沈黙してる子、いろんな形があります。
登校しぶりは「あるある」です
韓国では日本より夏休みが一足早く終わって、2学期が始まりました。
うちの小2の息子は、長期休み明けは毎回ちょっとしぶります。
今回も例にもれず、
学校、行きたくない…
そんなつぶやきが朝の日課になりつつある1週間でしたが、それでもちゃんと通っていました。
小2の息子に起きた、夏休み明けのトラブル
そんな1週間の終わりに、事件が起きました。
この日はクラスで、学級委員と副委員を投票で決める日。
息子は前日から張り切っていて、「立候補する!」と自分から決めていました。
でも当日は、どうやら女子が仲間内で票を固めていたらしく、6回やり直しをした末に落選。
それだけなら「まぁそういうこともあるよね」で終わったかもしれません。
でも問題は、その中に1学期にも委員をやっていた子がいたこと。
クラス内では「1回やった子は次は他の人に」というルールがあったようですが、
その子は「絶対に譲らない」と言い張り、「やりたいから」と押し切ったそうです。
息子は「ルールと違うし、今回は僕にやらせてよ」と何度か伝えたものの、誰も聞き入れてくれなかったとのこと。
結果、その日は3時間目まで泣いていたと先生から連絡がありました。
何かただごとじゃないことがあったんだなと、私も胸がザワつきました。
帰宅途中、息子の方から静かに話しかけてきました。
「なんか…おかしいよね。やった子は2回できないはずなのに…」
目にはまだ涙の跡が残っていて、言葉にはしっかり怒りと悔しさが込もっていました。
私はできるだけ落ち着いて、「今日はしんどかったね」とだけ声をかけ、
そのあと、少しずつ話を聞いていきました。
途中で何度も言葉に詰まりながら、それでも「悔しい」「納得いかない」「先生も助けてくれなかった」と、ぽつりぽつりとこぼれる言葉。
子どもの口から聞く「理不尽」には、想像以上の重みがあります。
私も、どう言葉を返していいか分からなくなりながら、「ちゃんと聞いてるよ」とだけ繰り返していました。
登校しぶりがひどくなった背景とは?
それ以降、息子の登校しぶりは明らかに悪化しました。
玄関で立ち止まったり、「教室まで一緒に行って」と言ったり。
「緊張や不安」から「心が傷ついた」状態が加わったことが、はっきりと分かりました。
もちろん、子ども同士の行動にも思うところはあるけれど、
私がいちばんモヤモヤしたのは、ルールが守られなかったこと。
それって「この子の声は届かなくていい」っていう、
無言のメッセージみたいに感じてしまって――
さすがに先生にも、メッセージで公平さがあったのかなどやりとりをしました。
親としてどう対応したか?今も悩み中です
正直、「どうしたらいいのか分からない」と思う瞬間は何度もあります。
無理に行かせたくないし、かといって休ませるのも違う気がする。
「行きたくない」って言われたとき、
「そうだよね」「そりゃ行きたくなくなるよね」と、ただ受け止めるしかない時もある。
大人でも気が進まない日はあるし、
私自身の子ども時代の「学校イヤだった思い出」を話しながら、
それでも前向きになれるように送り出す日々です。
小さな出来事でも、心には大きく響く
息子はHSC傾向(何ごとにも超繊細)があるので、周りの空気や、ちょっとした言葉にも敏感に反応します。
今回のことは、HSCじゃなくても誰でもつらい話だと思うけれど、
HSCだと、心の奥深くまで残ってしまうような感覚があるんですよね。
数日経ってもモヤモヤは消えず、
「寝たら忘れる」なんてことは当然ないし、
事件が起きた教室に毎日通うのは、相当なエネルギーを使うんだろうと思います。
大人から見れば「なんでそんなことで?」と思ってしまうような出来事でも、
子どもにとってはちゃんと意味があるし、
言葉にできないだけで、ちゃんと感じているんだろうなと思います。
ちょっと笑える、でも笑えない話
そんな中でも、ちょっと笑ってしまったような…でも本当は笑えない、そんな出来事がひとつ。
学級委員に選ばれた子が、「私を選んでくれてありがとう」と言って、
クラスのみんなにちょっとしたプレゼントを配ったそうなんです。
そして息子には、さらっと「残念だったね」のひとこと。
韓国では嬉しい気持ちや感謝として物を配るのはよくあることだけれど、
追い打ち掛けるよね~(苦笑)
息子もその瞬間、ぐっと我慢してたみたいですが、
家に帰ってきて話しながら、またちょっと気分が沈んでいました。
その話を聞いた私は、
もらった物を握りつぶしそうになりながら(笑)、
そっと倉庫の奥に封印しました(苦笑)
息子には、「リーダーになりたいなら、自分がされたら嫌なことはしないでね」とだけ伝えました。
今回の出来事は、決して楽しい思い出じゃないけれど、
きっと息子なりに、人との関わりの難しさとか、悔しさとか、色んな気持ちを初めて自分の中で感じたんじゃないかなと思います。
最後に:悩んでる親って、たくさんいるはず
登校しぶりで悩んでいる親御さん、きっとたくさんいると思います。
毎年この時期になると、「うちだけ?」と不安になるけれど、たぶん、うちだけじゃない。
周りに息子のような子はいなくても、そう信じています。信じたい…(苦笑)
私もまだまだ手探りの毎日です。
でも、いつも初心を忘れずに、「子どもの気持ちにちゃんと目を向けること」から始めるようにしています。
まもなく行われる保護者面談には、初めて夫に行ってもらうことにしました。
冷静な彼なら、私よりもしっかり話をしてくれるはず。
2学期は、まだ始まったばかり。
また一緒に、ゆっくり歩いていこうと思います。