この1年間、もうすぐ小学生になる息子のために、通学可能な範囲で「小さい学校」をいくつか探してきました。
最終的に候補に残ったのは、シュタイナー教育を行う私立小学校と、学区外の公立小学校。
冬になり、両校の入学前最後の説明会があったので出席してきました。
今回は、説明会のなかで印象に残ったこと、そして、どの学校にしたかの決断までお話していきたいと思います。
HSC息子に小さい小学校を選ぶ
息子はとても繊細で敏感な子ども(HSC)のため、新しい環境に慣れるまでとても時間が掛かります。
私は長期間にわたる保育園の登園しぶりを経験し、子どもが「毎日、園に通う」ということが当たり前ではないことを知りました。このような息子なので、きっと小学校という新しい環境に入っていくのは至難の業。
子どもができる限り通いやすい環境を求めて探した小学校は、「小規模校(1学年10人程度)」でした。
シュタイナー小学校の先生によるお話
今年6月、保育園の父母教育で「シュタイナー学校の先生によるお話会」が行われました。
お話してくださった先生は、もともと韓国の公立学校の先生をされていた方。本場ドイツに渡ってシュタイナー教育を学び、現在はシュタイナー学校で教えていらっしゃいます。
当日は、来年小学校に通う年長の父母を対象に行われました。
私が他の園児のお母さんたちに聞いたときは、シュタイナー学校への進学を希望する方はいなかったはずですが、先生への質問が多いことから、やはり悩まれているような感じでした。
とは言え、韓国の超学歴社会という現実を生きている保護者なら、余程の考えがない限り、シュタイナー学校への進学を選ばないのでは、、と思います。
シュタイナー学校は、一般の教科書を使用せず試験もない、学習塾にも通わせないし、、メディアにも触れさせないとなると、山奥で住んでいるならともかく、ある程度の都市に住んでいる私たちには現実的ではなくて、、親も子も忍耐が必要になります。メディアから遠ざけるというのは、個人的には大賛成ですが完全には難しい。
また、シュタイナー保育園で文字や数字を教えないということから分かるように、シュタイナー学校の独自の教え方は単に暗記するという学習法ではないのですごく魅力的ですが、進度はとてもゆっくり。
中学校までに一般の公立校くらいに追いつきますが、スタートが遅いので、シュタイナー学校に入れると決めたらずっと通うという覚悟が必要だなと思いました。
というのは、もし途中で一般の学校に転校ということになると、学力が追いつかない可能性があるので、子どもが辛い思いをするかもしれません。それでも本人が転校したいという意志があれば大丈夫ですが。
さて、保護者からの質問は、子どもの将来を心配するような、「シュタイナー学校の卒業後」について聞かれる方が多かったです。
実際には、芸術教育ということもあり、芸術の道に進んだり、起業家になったり、一般の企業に入社したりということでした。
私たちは保育園には通わせているものの、シュタイナー学校についてはほとんど知らないので、将来どうなるのか想像もできないんですよね。
ドイツ生まれの教育のシュタイナー教育は、北米やヨーロッパなどで海外生活をする家庭なら国としての制度も整っているでしょう。
進学についてそこまで悩まなくても良いかもしれませんが、アジア圏では経済面で国からの支援が得られないという現実的な問題も大きいと感じています。(私立並の教育費を家庭が負担)
他の園児の家庭がどのような結論に至るか分かりませんが、先生の話を聞いたり、実際に通っている高校生と話したりして、決断していくことになります。
公立の小規模小学校の説明会
12月に学区外にある公立小学校の説明会が開催されるとのことで、参加してきました。
小規模校ということもあり、参加したのは5家族。先生の方が数が多かったようなw
どの家族も、学区外から来ているということで保育園からのつながりというのはなさそうです。
我が家と同様、徒歩圏内ではあるものの、少し遠い場所からわざわざ通う・・ということになります。
私たちは、先生の目は届きやすく穏やかな学校生活を送れるよう少ない人数の学校を選びましたが、他の家族は、生徒数が多すぎるのを敬遠して小さい学校を希望しているようです。
校長先生からの短い挨拶のあとに、学校の紹介(動画)。
その後、現在1年生の担任先生や在校生の保護者代表のお話があり、大まかな学校の雰囲気が分かってきました。
どの方お話の中でも、デメリットがあるとすれば、生徒数が少ないということ。
良い点は、人数の少なさを生かした体験学習や校内での活動が多いこと、通常校より学生1人に対して使える教育費(?)が豊富ということで、良質な教育を受けれるとのこと。そして選択制の放課
公立校なので、教育システムなどにそれほど違いはないでしょうから、あまり心配はないかな。
人数が少ないので、学年が違っても子ども同士で学習や生活の両面で助け合ってやっているようです。
授業後の放課後クラスでは色んな学年が混ざっているので、縦割り保育だった保育園同様、一人っ子の息子には良い環境だと思いました。
学区外の小学校に通学するには
今回説明会に参加した小規模小学校は、徒歩圏内とはいえ学区外の小学校です。
その場合、日本同様、韓国でも「指定校変更の申立て」をします。
我が家の場合は、指定されていた学区の小学校に「通えません」と電話で連絡を入れて、市から予め届いている息子の情報を私たちが指定した小規模校に送ってもらうようにお願いしました。
学区外の学校で人気がある場合は、指定校の変更が不許可になる場合もあります。
その場合は抽選だったり、相当の変更理由で決まるそうですが、息子の場合は小規模ということもあり、生徒数が多すぎなければ断られないとのことでした。
注意が必要なのは、新1年生として入学する子どもでないと受け入れられないとのこと。(韓国国内のルール)
入学時なら学区外の子どもでもOKだけど、2年3年生になってから入ったり、学期の途中での入学は不可だそうです。その場合は、学区内に引っ越ししなければいけませんね。
いずれにしても、学区外に通いたい場合は、正確な情報を得るために、都度学校に連絡してよく話を聞くことが大切だと思います。我が家も本当に入学できるか何度も確認しました。
我が家は公立学校を選択
さて、我が家は、ずっとシュタイナー学校を希望していたのですが、去年から情報を集めている過程で、「シュタイナー学校断念」ということになりました。(一般の公立校が合わず転校する可能性はありますが)
理由は、私立並みの寄付金や授業料といった学費がとても高額ということと、卒業資格が得られないという点が引っ掛かりまして、小規模の一般学校へ進むことを考えています。
中学校までの9年間、もしくは高校までの12年間、払える財力も必要ですが、家庭での食事やメディア規制等の努力も続けていくことになり、私にそこまでできるか、、自信がなくなってきた、ということです。
引っ越しもしなくてはいけないですし、現実的ではないかなと。
シュタイナー学校でも、卒業資格が得られる学校もあるかもしれませんが、私たちが住む地域から近い学校は、通っても卒業資格は得られないとのことでした。
もし息子が近い将来、日本の学校に通いたいとなったときに、手続きが煩雑になるのは目に見えていますし、一般の企業に入社するときに、不利になったりするかもしれません。
理由という言い訳を書き出せば色々とあるのですが、これらの問題は、私のやる気次第でクリアできることですし、息子の将来は息子が決めることなので、就職までのことなんて考えなくても良いのですよね。
当初は、息子に合うのは、「小規模のシュタイナー学校しかない」と思っていたのですが、学区内の公立学校だけでなく、シュタイナーのようなオルタナティブ教育や、質の高いフリースクールなど、教育法は選べる時代ですし、私たちも選択肢を広げて考えています。
いやもちろん、私はシュタイナー教育に惹かれているし、きっと息子にも良い影響があると思っているんです。
でも、アジア地域のシュタイナー学校に高校までの12年間を通うとなると、保育園とは違い、親の相当な覚悟が必要。そこまでシュタイナー教育というものに傾倒しているわけではない我が家は断念した・・という結論です。
息子が安心して通える穏やかな環境は、小さな学校ならきっと大丈夫だと思って、最終的に小規模の公立学校に決めました。