朝の「行きたくない!」から始まる1日。
玄関で泣きじゃくるわが子を前に、どう声をかけたらいいのか分からなくなる——
そんな朝を、何度も迎えたことがあります。
息子は5歳になった今でも、ときどき登園を嫌がります。
でも、かつてのように「どうして行けないの?」と焦ることはなくなりました。
それは、“登園しぶりには理由がある”と気づいたからです。
この記事では、3歳から続いた登園しぶりを振り返りながら、
長引くときの原因と、家庭でできる3つの対応法を紹介します。
HSC(ひといちばい敏感な子)や、母子分離が苦手な子を育てる方の参考になれば嬉しいです。
1. 「行きたくない」と泣いた3歳の春
息子は生まれつきとても繊細で、音や光、人の表情に敏感なタイプでした。
年少の途中から保育園に通い始めましたが、初日から大泣き。
雪の降る日も園の前で1時間泣き続ける日々が続きました。
園の先生からは毎日のように電話があり、
「長年子どもを見てきたけれど、ここまで慣れない子は初めてです」と言われるほど。
私自身も心が追いつかず、3ヶ月で退園を決断しました。
2. 転園後も続いた“登園しぶり”
4歳の春、少人数で穏やかな雰囲気の保育園に転園しました。
環境は変わりましたが、慣れるまでには再び3ヶ月ほどかかりました。
最初の頃は私がほぼ毎日付き添い。
それでも「泣きながら行けた日」は確実に増えていきました。
年中後半には「今日はがんばってみる」と言えるようになり、
登園しぶりと共に歩く毎日が少しずつ日常になっていきました。
3. 公園を逃げ回る息子と、“登園は当たり前”と思っていた私
登園前に少しでも気分を整えようと、公園に寄ってから登園する習慣をつけた時期がありました。
しかし、結局そのまま遊んで帰る日も多く、
先生に連絡して迎えに来てもらうこともありました。
そのとき気づいたのは、
「登園は当たり前」と思っていた自分の価値観が、
知らず知らずのうちに息子へのプレッシャーになっていたことです。
うまくいかない日が続くと私の心も乱れ、
つい厳しく接してしまうことがありました。
でも本当は、息子も「行かなきゃいけない」と理解していたんです。
ただ、不安の方が勝ってしまう日があるだけ。
そう気づいたとき、私の中でも力が抜けていきました。
4. 正反対の親子、それでもいい
私は自己主張が得意ではないタイプ。
だからこそ、感情をまっすぐに表現できる息子を見て、
「うらやましい」と思うことがあります。
主張が強く、時にぶつかることもありますが、
その素直さも彼の個性。
「分かりたいけど、全部は分からない」——
そうした距離も、親子の自然な形なのかもしれません。

いっしょうけんめい保育園にいっているんだよ

5. 登園しぶりが続く主な原因
登園しぶりが長引くと、「なぜうちの子だけ」と感じることがあります。
しかし、理由は一つではありません。
息子の様子を通して感じた主な原因を挙げます。
主な原因例:
息子の場合、一番多いのは「お昼寝がイヤ」。
また、先生に注意された日などは「もう行かない」と言い出すこともありました。
子どもにとっては、小さな出来事が心の重荷になることもあります。
6. 登園しぶりへの対応|わが家の3つの方法
① 思い切って休ませる
本当にしんどそうな日は、無理に登園させず休ませます。
「今日はおうちでゆっくりしよう。明日は行こうね。」
そう伝えるだけで、子どもは安心し、翌日は自分から行けることもあります。
不思議と“休みグセ”にはなりませんでした。
② 気持ちを受け止める
「行きたくない」と言う日は、まず共感することを意識しています。
「そっか、つらかったね」「今日はちょっと不安なんだね」
その一言で、子どもの緊張はふっと和らぎます。
③ 先生との共有を続ける
家庭での様子をこまめに伝えることで、先生も対応しやすくなります。
「昨日は夜泣きがありました」など、短くても十分です。
家庭と園、どちらかだけで抱え込まないことが長期戦のコツです。
7. 理由がない“なんとなく行きたくない日”もある
毎朝の「行きたくない」は、必ずしも深い理由があるとは限りません。
そんな日は「そういう日もあるね」と軽く受け止めて大丈夫。
園に着いてしまえば、あっという間に笑顔で遊ぶことも多いものです。
「行ってみたら楽しかった」
——そんな経験を積み重ねることで、子どもは少しずつ自信をつけていきます。
8. 登園しぶりは“成長の過程”
長く続く登園拒否は、親にとって本当に苦しいものです。
「なぜうちの子だけ」と感じ、朝から気力を使い果たす日もありました。
けれど今振り返ると、あの時間こそが息子の成長の始まりだったと思います。
入園から1年半、毎朝泣いていた息子が、ある日すっと園に入れた日。
その小さな一歩が、これまででいちばん大きな成長でした。
登園しぶりは“性格の問題”でも“親の甘やかし”でもありません。
「安心を求める気持ち」が少し強いだけ。
焦らず、信じて見守ることが何よりのサポートになります。
登園しぶりを乗り越えたら、次の壁は「小学校選び」!
HSCっ子の育児は、保育園を卒園してもまだまだ続きます(笑)


  
  
  
  


