海外に暮らしていると、たまの一時帰国がちょっとしたイベントになります。
そんな帰国のたびに「何を持って帰ろうかな」と考えるのも、ひそかな楽しみのひとつ。
今回は、定番の韓国みやげに加えて、
「日本のお米が高くなったんだよ~」という家族の声もあって、
初めて韓国のお米をおみやげに選びました。
🇰🇷 韓国での手続き
韓国からお米を日本に持ち込むには、「植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)」という書類が必要です。

今回利用したのは、金浦国際空港の検疫所。
コンパクトな空港なので、場所もすぐに見つかりました。
荷物を預ける前、出国手続きの前に立ち寄ります。
まず、お米の現物を提出して軽量してもらい、 そのあと、カウンターで申請書を記入し、パスポートと一緒に提出します。
こちらは、植物検疫申請書の記入例。

書類はその場で作成され、5分ほどで日本側に提出するための検疫証明書が発行されました。
思っていたよりもずっと簡単。
スタッフの対応も親切で、全体的にスムーズでした。
ただし、金浦空港の検疫所の受付時間は平日の9時〜18時と限られているため、 出発が週末や早朝など時間外になる場合は、前日に受付する必要があります。
写真を貼っておくので、事前に受付時間を確認してくださいね。

🌶 お米以外のものも申告してみた
ちなみに、息子が田舎で収穫してきた半生の唐辛子も、念のため一緒に提出してみました。(0.2kg(笑))
唐辛子の場合、粉末やペースト状の商品であれば検疫の必要はありませんが、 収穫直後の状態で種が残っているものだったので私では判断できず、事前にサイトで確認したところ「植物防疫所にお問い合わせください」とあったため申告。
とはいえ、当日はほとんどチェックされることもなくスルー気味‥。
「出さなくてもよかったのかな?」と思わず苦笑いしてしまいましたが、少しでも迷ったら申告すべきですよね。おかげで堂々と持ち帰れました(笑)。
植物の種類によって検疫の必要性が異なる場合があるため、韓国から植物性の食品を持ち帰る予定がある場合は、 渡航前に植物防疫所の最新情報を確認するのがおすすめです。
🔗植物防疫所サイト(海外から野菜や果物を持ち込む際の規制)
🇯🇵 日本での検疫
金浦空港で検疫証明書を取得し、お米を預け荷物にして、いざ日本へ。
韓国側があまりにもスムーズだったので、「これで問題なく入国できるかな」と、ちょっと安心していたのですが、日本の空港検疫では、少し時間が掛かりました。
到着後は、入国審査を終えて、預け荷物を受け取り、そのまま植物検疫カウンターへ直行。
お米を持ち帰る日本人が増えていると聞いていたので混雑を覚悟していましたが、カウンターにはそれほど並んでいる人もおらず、意外と穏やかな雰囲気でした。もうお米の需給が落ち着いてきたのかもしれませんね~。

韓国で発行された検疫証明書と一緒に、お米の袋を提出します。10kgは重い!!
そして、係の方が「少し確認させていただきますね」と言いながら、その場で米袋を開封(!)。
虫などが混入している可能性があるため、ふるいにかけて確認する場合があると事前に聞いてはいましたが、
「ほんとにやるんだなぁ」と、内心ちょっとびっくり。
検疫自体が初めてだったので、なんだか不思議な気持ちでその様子を見守っていました。
袋の中からお米を少量取り出し、ふるいにサラサラと移して、シャカシャカとふるい始める係員さん。
精米したての新品のお米だったので大丈夫とは思っていましたが、やはりその場で検査されると少し緊張しました。
その後、「はい、大丈夫ですね」と穏やかに一言。
証明書にハンコを押してもらい、無事に検疫を終えることができました。
丁寧に対応してもらった分、少し時間がかかってしまい、予定していた電車には乗り遅れてしまいましたが、もし検疫利用者が多いタイミングだったら、もっと時間がかかるかもしれませんね。
検査が終わると、検疫証明書の控えが2部渡されました。
そのうち1部は、税関での申告時に提出します。
残った1部は、念のためしばらく手元に保管しておくことにしました。
こうして、韓国のお米は無事に日本に入国。
ふるいにかけられたり、袋を開けられたりとちょっとした“儀式”はありましたが、終わってみれば貴重な経験になりました。
※今回の検疫に関する情報(書類や手続きなど)は、記事の最後にリスト形式でまとめています。
これから持ち帰りを検討されている方の参考になれば幸いです。
👪 家族の反応
無事に検疫を終え、10キロの韓国米を持って帰宅。
荷物の半分を占めていたお米は、やっぱり存在感があります。
さっそく、久しぶりに家族全員そろっての夕食に合わせて、炊いてみることにしました。
炊飯器にお米をセットしてスイッチを入れると、ふわっと立ち上る湯気のいいにおい。
韓国でも私は日本の炊飯器を使っているのですが、どんなに高級なお米でも、気持ち水を多めに炊いた方がおいしく感じていました。
今回は、超有名な「オデサル」という韓国米を持ってきましたが、やはり美味しいお米は違いますね~。
最高等級という言葉につられて買った我が家のお米より、つやつやと光っていて、見た目からすでにおいしそう。これなら水を多くしなくても十分美味しく炊けます。
初めて韓国のお米を食べた家族の反応も上々で、ひと安心。
お土産の韓国のりも出して、一緒に食べてもらいました。
お米の等級は「普通」なのに、さすがブランドは強し。
あれこれ試すのが好きなので毎回違うお米を買っていましたが、今後は我が家もオデサルにしようと決めました。
そして、後日、日本のスーパーに行ってみると、並んでいたのは5キロ袋のお米ばかり。
以前は10キロだった気がしたのに……と少し驚きました。
それでいて、価格は10kgのときと変わらず。むしろちょっと高くなったかも?
ほんの少し来ない間に、日本のお米事情も変わってきたようです。
韓国も日本もお米が主食の国。どちらでも、おいしいお米が無理なく買える世の中であってほしいですね。
💭 まとめ
今回は、初めて韓国のお米を日本に持ち帰ってみた記録でしたが、やってみると意外とスムーズで、いい経験になりました。
今回はお米でしたが、韓国にはほかにも魅力的な食材がたくさんあります。
種類によっては、果物や野菜も持ち込みが可能なので、次回は別のものにもトライしてみようかな〜と考えています。
最後に、これから韓国のお米を持って帰ってみたいという方のために、今回の検疫手続きの流れを簡単にまとめておきます。
渡航時期や空港によって対応が異なることもあるので、事前に最新情報を確認するのがおすすめです。
📝 検疫チェックリスト
【韓国側(出発前)】
【日本側(到着時)】
🍚 おわりに
ほんの少しの手間と引き換えに、食卓で家族と分け合えた“日常の味”。
次はどんなものを持って帰ろうかと、すでに少し楽しみにしています。
韓国米を日本で炊くなら、やっぱりキムチも一緒に食べたくなりますよね~。
本場キムチの持ち帰り方は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。






