前回は、韓国での野球観戦体験としてキウム・ヒーローズ vs KTウィズの試合をレポートしました。
今回はその続きとして、実際に観戦して気になったKBO(韓国プロ野球)の基本情報や、注目選手であるイ・ジョンフ選手とキム・ヘソン選手についてご紹介します。
韓国からMLBへ羽ばたくスターたちの活躍や、リーグ全体の魅力を知るきっかけになればうれしいです。
KBOってどんなリーグ?
韓国のプロ野球リーグ「KBO(Korea Baseball Organization)」は、1982年に発足しました。
当初は6球団でスタートし、現在は1リーグ制・10球団体制となっています。
本拠地は全国に9ヶ所あり、2軍リーグは2リーグ制です。
2024年シーズンは4月1日に開幕し、10月までに各球団が全144試合を戦い、順位を争います。
現在のKBO所属球団一覧(最新:2024年の順位)
球団名(英語表記/日本語読み) | 本拠地(日本語読み) | 2024年順位 |
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Kia Tigers/キア・タイガース | 光州(クァンジュ) | 1位 |
Samsung Lions/サムスン・ライオンズ | 大邱(テグ) | 2位 |
LG Twins/LGツインズ | ソウル(蚕室/チャムシル) | 3位 |
Doosan Bears/トゥサン・ベアーズ | ソウル(蚕室/チャムシル) | 4位 |
KT Wiz/KTウィズ | 水原(スウォン) | 5位 |
SSG Landers/SSGランダース | 仁川(インチョン) | 6位 |
Lotte Giants/ロッテ・ジャイアンツ | 釜山(プサン) | 7位 |
Hanwha Eagles/ハンファ・イーグルス | 大田(テジョン) | 8位 |
NC Dinos/NCダイノス | 昌原(チャンウォン) | 9位 |
Kiwoom Heroes/キウム・ヒーローズ | ソウル(高尺/コチョク) | 10位 |
韓国プロ野球(KBO)では、2020年から2023年までの4年間で4つの異なる球団が韓国シリーズを制覇しており、リーグの実力の拮抗ぶりがうかがえます。
2020年は、NCダイノスが球団史上初となる韓国シリーズ優勝を達成。
2021年は、KTウィズが頂点に立ち、球団初優勝を成し遂げます。
水原を本拠地とするこのチームも比較的新しく、強豪の仲間入りを果たしました。
2022年は、かつてSKワイバーンズだったチームがリブランドしたSSGランダースが、見事リーグと韓国シリーズの両方を制する完全優勝を達成。資金力と育成力の両面で注目を集めました。
そして2023年は、LGツインズが約30年ぶりの悲願の優勝。
長年の積み重ねとファンの声援がついに実を結び、ソウルの球場が歓喜に包まれました。(みんな泣いてたw)
このように、KBOでは年ごとに勢力図が変化し、どのチームにもチャンスがある“混戦リーグ”としての魅力があります。
これが、韓国野球を観る面白さのひとつとも言えるでしょう。
キウム・ヒーローズはメジャーへの登竜門
キウムは、実力派の若手を多く輩出する「育成力のある球団」として知られています。
近年も以下のスター選手たちがKBOからMLBへ羽ばたいています。
選手名 | MLB球団(2025) | ポジション | 移籍元備考 |
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キム・ハソン | タンパベイ・レイズ | 内野手 | サンディエゴから移籍 |
イ・ジョンフ | サンフランシスコ・ジャイアンツ | 外野手 | キウム出身 |
キム・ヘソン | ロサンゼルス・ドジャース | 内野手 | キウムからMLBへ |
3人全員がメジャーに行くまで、キウムでキャプテンを務めていました。
素晴らしい選手たちが抜けたチームは、、少し負けが続いていますが、良いチームであることは間違いありません。
韓国のイチロー?イ・ジョンフ選手とは
キウム・ヒーローズの元主力外野手、イ・ジョンフ(이정후)選手は、名古屋生まれの韓国代表選手。
父は元中日ドラゴンズのイ・ジョンボム氏で、親子2代でプロ野球を代表する存在です。
スマートなプレースタイルと真面目な性格、ルックスまで含め「韓国のイチロー」とも呼ばれています。
彼は2017年にKBOでデビューし、同年に新人王を受賞。
2022年にはKBOのMVPに輝き、5年連続でゴールデングラブ賞を受賞しました。また、2021年と2022年には首位打者のタイトルを獲得するなど、リーグを代表する打者として活躍しました。
2023年の夏以降は左足首の手術で欠場しましたが、2024年にはMLB・サンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍。
メジャーの舞台での飛躍が期待される選手です。
注目の新キャプテン:キム・ヘソン選手
イ・ジョンフ選手のMLB移籍に伴い、キウム・ヒーローズの新キャプテンを任されたのが、若き内野手キム・ヘソン(김혜성)選手です。
彼は、遊撃手・二塁手を中心に内野全般をこなすユーティリティプレイヤー。
俊足・巧打・堅守を兼ね備えたバランス型の選手で、韓国国内では「5ツールプレイヤー」として高く評価されています。
その実力は、KBOの中でもトップクラス。
韓国代表にもたびたび選出され、若手ながら国際大会でも経験を積んできました。
そして2025年、ついにMLB・ロサンゼルス・ドジャースへの移籍が決定!
日本でも大人気の大谷翔平選手と同じチームでプレーすることになり、日本の野球ファンからも注目を集める存在になりそうです。
キム・ヘソン選手の身体能力の高さ、誠実な人柄、そして成長意欲は、これからのメジャー挑戦において大きな武器になるはずです。
さいごに:KBOはスター選手の宝庫
韓国プロ野球(KBO)は、日本とは異なる独自の応援文化や試合のスタイルが魅力。
そこに、スター選手たちの成長やMLBへの挑戦というドラマが加わることで、より深みのあるリーグになっています。
なかでも、今注目を集めているのが、ロサンゼルス・ドジャースに加入したキム・ヘソン選手。
最近マイナーからメジャーに昇格し、少しずつMLBファンの間でも存在感を見せはじめています。
ついこの前まで、韓国の球場でプレーしていた選手が――
今や、大谷翔平選手と同じチームでメジャーの舞台に立っている。そんな日が来るなんて!
もちろん、KBOは日本と比べれば球団数もリーグの規模も小さいかもしれません。
それでも、確かな実力と個性を持った選手たちが確実に存在するリーグです。
イ・ジョンフ選手も、キム・ヘソン選手も、KBO時代からそのプレーの確かさと誠実で真面目な姿勢、そしてファンを大切にする人柄で、多くの人に愛されてきました。
KBOで育ったスターたちが、日本のファンにも親しまれていく未来が楽しみです。