韓国旅行中、「辛い料理が多くてちょっと疲れた…」「子どもと一緒に食べられる韓国ごはんが知りたい」と思ったことはありませんか?
実はそんなときにぴったりなのが、「辛くない韓国料理」として人気の韓国式中華料理。
なかでも辛くない&文化も味わえる一品としておすすめなのが「チャジャンミョン(짜장면)」です。
韓国の子どもたちが大好きな国民的メニューでありながら、そこには引っ越しや恋愛イベントとも結びついたユニークな文化も。
今回は韓国在住ママの視点から、チャンポンやチャーハンも交えた“韓国中華”の魅力をたっぷりお届けします!
ピリ辛海鮮たっぷり!韓国式チャンポンとは?
韓国料理といえば「辛いもの」が思い浮かびますが、旅行中ずっと辛いものばかりはちょっと…という方も多いですよね。
実はそんなときにぴったりなのが、韓国式中華料理!
辛くないメニューとして人気なのがチャジャンミョン(짜장면)ですが、今回はその前に、あえて“辛いけど大人気”の韓国式チャンポンからご紹介します!
というのも…このチャンポン、辛いけれど一度食べたら忘れられない旨味があるんです。

韓国のチャンポンは、真っ赤なスープに海鮮と野菜がたっぷり入ったピリ辛スープ麺。
イカ、ムール貝、エビなどの具材が山盛りで、魚介の旨味がガツンと効いた濃厚でコクのあるスープが特徴です。
辛さの奥にしっかりとした深みがあって、一口すすれば体の芯からポカポカ。
特に寒い季節や疲れた日には、たまらない一杯です。
ちなみに、お店によって辛さのレベルがけっこう違うので、食べるたびに「今日はどのくらい辛いかな…?」と、ちょっとドキドキしながら一口目をすするのが密かな楽しみ(笑)。
韓国では、海鮮だけではなく牛肉や豚肉を使ったチャンポンも人気です。
辛さとお肉の旨味が合わさって、海鮮とはまた違った満足感があります。
▼インスタントのチャンポンを選ぶなら私は「ジンチャンポン」派!
黒いチャーハン!?韓国式チャジャンチャーハンの魔法
一緒に頼んだチャーハン(ポックンパ/볶음밥)は、日本のものとはちょっと違います。
パラパラのご飯の上にふわっとした卵焼きが乗っていて、その上からかけられるのが、「チャジャン(짜장)」という黒いソース。

卵の使い方もお店によっていろいろで、目玉焼きが乗っていたり、チャーハンの中に混ぜてあったりします。
このチャジャンは、チャジャンミョン(ジャージャー麺)にも使われる、甘じょっぱい黒味噌風のあんかけソースで、
ご飯にかけるとまろやかで優しい味わい。意外にもご飯との相性が抜群で、箸が止まらないんです!
食べ方は、私はそのまま少しずつチャーハンにソースをのせて食べますが、
韓国流の食べ方は、全部混ぜちゃう!
カレーを混ぜるかどうか迷うように、チャジャンチャーハンも、ぐちゃぐちゃに混ぜる派と少しずつのせる派に分かれると思っていたけど、
実際、韓国ではほとんどの人がキレイに全部混ぜます(笑)。
チャーハンなのでご飯にも味はついていますが、さらにこのチャジャンソースをかけることで、
まったり&コク深い味わいが加わり、もう一度食べたくなるおいしさ。
カロリーが気になる方にはあまりおすすめしませんが(笑)、やみつきになること間違いなし!
チャジャンミョンは子どもにも大人気!
チャジャンミョン(짜장면)は、韓国の子どもたちにとって定番の「大好きなごはん」です。
その理由はシンプル。辛くない!甘くてとろみがある!食べやすい!
チャジャンミョンも、チャーハン同様、ぐちゃぐちゃに混ぜて食べましょう(笑)

もちろん、韓国では子どもたちも辛い物に挑戦していきますが、まだ食べられない年齢の子どもにとっては、辛くないメニューとして大活躍。
炒めた玉ねぎや豚肉をベースにした黒味噌風のソースが、太麺に絡んでとろりとした優しい味わいに仕上がります。
さすがにジャンクフード感があるので、毎回食べさせたいメニューではありませんが、手軽に済ませたいときにはぴったり。家庭の食卓はもちろん、学校給食にもよく登場する「ごちそうメニュー」でもあります。
▼インスタントのチャジャンミョンを選ぶなら私は「チャワン」派。
麺を茹で終わったらお湯を捨てますが、少し残してソースを加えて混ぜるのがポイント。汁が全くないとダマが出来たり味が濃かったりで微妙になることも。お試しあれ!
▼チャジャンソースの素があれば、簡単に手作りできます。玉ねぎなど野菜をたっぷり入れて作ってみてください。カレーライスのような感覚でたっぷり作っておいて、ご飯や麺にかけましょう!

セットで頼むのが韓国スタイル!タンスユクやマンドゥも一緒に
韓国では、チャジャンミョンを食べるときにタンスユク(탕수육/韓国式酢豚)やマンドゥ(만두/餃子)を一緒に頼むのが定番スタイル。
「麺(or ご飯)+サイドメニュー」は、もうお決まりの流れです!

初めて韓国の酢豚=タンスユクを食べたときは、日本のそれと違いすぎてびっくり。
お肉よりも衣の比率の方が多いんじゃ…?と疑いたくなるようなお店もあったりします(笑)。
あと、単純に値段が高い!なぜ?!
特徴的なのが、“たれ”のスタイル。
ソースは別皿で出てくるのが基本で、全部かけてしっとりさせてもいいし、サクサク派の人は各自でつけながら食べることも。ちょっとかための衣が、ソースにくぐらせることでじゅわっとやわらかくなり、絶妙な食感に変わります。
隣のテーブルでは、大皿に山盛りのタンスユクを家族でシェアしていて、
「これぞ韓国の中華!」という感じがしました。
そしてもうひとつの定番が、マンドゥ(餃子)。
水餃子・蒸し餃子・揚げ餃子と種類もいろいろあって、どれも外れなし!
個人的には、蒸し餃子と揚げ餃子が特におすすめ。しっかり味のあるメイン料理にもぴったりで、満足度をグッと高めてくれるサイドメニューです◎
韓国式中華のお楽しみ!無料の“パンチャン”にも注目
韓国の中華料理店では、料理を注文すると、写真のような無料の付け合わせ(パンチャン)がついてくるのが定番です。

黄色いたくあん(タンムジ/단무지)、生の玉ねぎ、そして黒い味噌ダレ(チュンジャン/춘장)。
中華料理なのにそこにキムチが加わることも多く、「キムチって本当にどこでも出てくるんだな…」と、韓国に住み始めた頃はちょっと驚きました(もう慣れた 笑)
玉ねぎはチュンジャンにつけてポリポリ、たくあんは口直しにぴったり。
ちょっと不思議な組み合わせに思えるかもしれませんが、チャジャンミョンとの相性はばっちり◎
ちなみに、たくあんや玉ねぎにお酢をかける人が多いのも、韓国あるある。
「なぜそこにお酢!?」と最初は不思議でしたが……正直、今でもちょっと慣れません(苦笑)
旅行中に韓国式中華を楽しむときは、ぜひこの“おかずセット”にも注目してみてくださいね♪
美味しい中華料理を食べるなら…仁川(インチョン)!
チャジャンミョンが美味しいお店はたくさんありますが、やっぱりお店ごとに味の個性が違うんですよね。
同じ韓国式中華でも、チャンポンが看板メニューのお店もあれば、チャジャンミョンが自慢というところも。
で、間違いなく美味しい!と断言できる場所が、やっぱり…仁川(インチョン)。
仁川のチャイナタウンは、チャジャンミョン発祥の地としても有名で、たくさんの老舗中華料理店が軒を連ねています。
しかも、駅の目の前にチャイナタウンの入口があるのでアクセスも抜群◎

中にはドラマの舞台になった人気店や、週末は行列ができるような有名店も。
でも正直なところ、外で呼び込みをしているお店の味は…ちょっと微妙だったかも(あくまで個人の感想です 笑)
とはいえ、全体的にレベルが高いのが仁川のチャイナタウンのすごいところ。
有名店じゃなくても、ほとんどのお店がちゃんと美味しいので、どこに入っても大きなハズレはありませんよ。
仁川に行くなら…私のお勧めの中華料理店
コッソリ教えちゃいますと、私のおすすめは「テリムボン(태림봉)」というお店です。
チャジャンミョンとタンスユクを食べて、「やっぱりチャイナタウンは違う!」と実感できるほど美味しかった。
でも、最近知ったのですが、このお店の看板メニューはチャンポンだったということ(笑)
次回行ったら、チャンポンもぜひ食べてみたいなぁと思っています。
📍 テリムボン(태림봉)をNAVER地図で見る
※韓国での地図検索はネイバーが便利です。
テリムボンは、仁川のチャイナタウンの中心に位置しており、観光のついでに立ち寄りやすい立地です。
ぜひ訪れて、本場の韓国式中華料理を堪能してみてください!
チャジャンミョンにまつわる、韓国のちょっと面白いエピソード
チャジャンミョンには、韓国ならではのユニークな文化や習慣がいろいろ詰まっています。
たとえば、引っ越し当日の定番メニューとしてチャジャンミョンを頼むという習慣。
「引っ越した日は疲れて料理なんてできないし、すぐ食べられてお腹もしっかり満たせるチャジャンミョンがぴったり!」ということで、昔は引っ越し業者の方にも一緒に振る舞ったそうです。
(ちなみに我が家は、ふつうに外食で済ませました。笑)
そしてもう一つ有名なのが、4月14日の“ブラックデー”。
バレンタインやホワイトデーでご縁がなかったソロたちが、黒いチャジャンミョンを食べて慰め合うという記念日です。
「黒いものを食べる=チャジャンミョン(黒い代表)」というのが、なんともユニークで面白い。
さらに、毎月14日は韓国では“○○デー”と呼ばれる記念日が多く、なかにはチャジャンミョンの割引イベントを行う中華料理店も。
実際に私の近所のお店では、14日はチャジャンミョンが半額になるので、夕方には学生たちで満席になるほどの人気ぶりです。
さいごに
韓国といえば「辛い料理」が定番ですが、旅行中ずっと辛いものばかりだと、ちょっと休憩したくなることもありますよね。
そんなときにおすすめなのが、チャジャンミョンをはじめとした“韓国式中華”。
辛くなくて食べやすく、それでいて韓国ならではの食文化も感じられる――まさに“ちょうどいい”選択肢です。
しかも、1人でも気軽に入れるお店が多く、サイドメニューをシェアすれば、友達や家族とワイワイ楽しむのにもぴったり。
「辛くないものが食べたいな」
「ちょっとローカルな体験がしてみたいな」
そんなときには、ぜひ近くの中華料理屋さんをチェックしてみてください。
チャジャンミョン一杯から、韓国の“日常”をちょっとだけ味わってみる旅――きっと、いい思い出になりますよ。