~2024年に韓国で公開されたプバオのドキュメンタリー映画『안녕, 할부지(アンニョン、おじいちゃん)』を鑑賞。感動的な別れのシーンや、映画館限定グッズの詳細を写真付きで紹介します。~
今年4月、韓国から中国に返還されたジャイアントパンダのプバオ&バオファミリーが、ついにドキュメンタリー映画になりました。
韓国のお盆を前に公開される映画ということで、連休中には“家族で観られる映画”として話題になりそうです。
9月4日公開の映画『안녕, 할부지(アンニョン、おじいちゃん)』。
私もさっそく予約し、公開初日の朝イチで観てきました!
韓国国民に愛されたプバオ、そして私の推しであるバオファミリーの感動の物語をご紹介します。
プバオとは?韓国の人気パンダ家族
映画『안녕, 할부지(アンニョン、おじいちゃん)』は、韓国・エバーランドの「パンダワールド」にいた長女・プバオと飼育員さんたちとの別れを描いたドキュメンタリーです。
韓国のパンダ家族を簡単にご紹介すると:
- ロバオ(お父さん)
- アイバオ(お母さん)
- プバオ(長女)
- ルイバオ&フイバオ(1歳の双子姉妹)
の5頭。全員の名前に「バオ(宝)」が入っていることから、「バオファミリー」と呼ばれています。
今年、長女のプバオが中国に渡ったため、現在韓国にいるジャイアントパンダは4頭です。
プバオがなぜこれほど韓国国民に愛されたかというと、
コロナ禍という厳しい時期に元気に育つ姿が癒しを与えてくれたこと、
そして何より、その可愛らしさと明るい性格、飼育員さんたちとのほほえましいやりとりが動画を通して広まったことが大きいと思います。
もともと韓国ではパンダへの関心は薄めでした。
「クマよりトラ!」というように、強い動物を好む傾向もあって、プバオ誕生前後までは、パンダを見るための行列なんて無かったと韓国の知人から聞きました。
映画『안녕, 할부지(日本題:私の親愛なるフーバオ)』のあらすじ
本作は、韓国で初めて自然繁殖で生まれたプバオと飼育員さんたちの1354日間、出会いと別れを追ったドキュメンタリー映画(上映時間:1時間35分)です。
「海外生まれのジャイアントパンダは中国に返還される」ということは最初から決まっていて、
それでも、飼育員さんたちはまるで家族のように愛情をもって接し、育ててきました。
タイトルの『안녕, 할부지(アンニョン、おじいちゃん)』に出てくる“おじいちゃん”とは、
ベテラン飼育員のカンバオとソンバオを指しています。
彼らがパンダたちをお世話し、分かりやすく説明してくれる姿もたっぷり描かれています。
「愛をあげたのは私だったけれど、幸せをくれたのはあなただった。」
副題だけで泣ける…。
名前に“幸せを与える宝物”という意味が込められたプバオ(福宝)は、まさにその存在だけで周囲に笑顔と癒しを届けていました。
YouTubeの公式動画では日常の様子が公開されていますが、映画では未公開映像やアニメーションも収録。
プバオの検疫期間中の様子、中国への旅立ち、再会の場面、双子パンダの成長記録など見どころ満載です。
この映画のために作られたOSTのMV:김푸름 “안녕”(キム・プルム”アンニョン”)
映像の中で出てくるアニメーションの一部です。この曲を聴くとプバオが思い出されて悲しくなりますが、ステキな声と歌です。
映画を観た正直な感想
まず、大きなスクリーンでパンダたちを観られたことがとにかく嬉しかった!
毛のフワフワ感までしっかり伝わってきて、映像の美しさに感動しました。
ただただ、かわいいの連続で、それ以上の言葉が出てこないほど。
私は飼育員さんの公式動画をほぼ毎日観ていたので、内容はある程度知っていたつもりでしたが、
未公開映像の“お宝感”と、映画ならではの演出に胸が熱くなりました。
ちなみに、タイトルにある“할부지”は、子どもが「おじいちゃん」を呼ぶときのかわいい言い方。
標準語では「할아버지(ハラボジ)」が正しい表記です。
そして、“안녕”には「こんにちは」と「さようなら」の両方の意味があるのもポイント。
別れを意味しつつ、中国での再会に「こんにちは」の意味も込められているのかも。
韓国の映画館でしか手に入らない限定グッズ
私が行った韓国の映画館・CGVでは、プバオをイメージした「黒糖スイートポップコーン」が販売されていました。
黒い方は黒糖味、白い方は塩味で、可愛いパッケージ付き!

別日に訪れたロッテシネマでは、ポップコーンセット+プバオキーリングのコラボ商品も販売されていましたが、なんとすでに完売…。
公開から2日しか経っていないのに、さすがプバオ!
映画鑑賞後には“スペシャルチケット”がもらえます(申告制なのでご注意を)。

映画を観た後に当日だけもらえる、知る人ぞ知る限定品。
分厚くてしっかりした作りなので、私はしおりとして使おうかなと思っています(笑)
さいごに:映画を観たら涙腺崩壊しました
ジャイアントパンダは繁殖が難しい動物。
日本でも韓国でも自然交配による繁殖が成功していますが、これは動物園の努力の賜物であって奇跡のようなことです。
日本の上野動物園では、29年の時を経てシャンシャンが誕生しました。
一方、韓国ではロバオ&アイバオ夫婦の前のミンミン&リリカップルは一度も妊娠せず、5年で中国に返還されています。
動物のなかでパンダだけが特別ではありませんが、好きになればなるほど、パンダという動物がいかに繊細で不思議な存在かを実感します。
プバオより一足先に中国に渡った日本生まれのシャンシャンは人見知りで、現地の環境に慣れるまで時間がかかったそうですが、プバオはよく食べよく寝て、すぐに順応したとのこと。
こういう性格の違いもまたとても興味深いですね。
映画を観て、プバオが旅立つ日のことを思い出し、少し喪失感に襲われましたが…
でも、本人(本パンダ?)が全く気にしていなさそうなので、それが救いです。
パンダファンがもっと増えて、いつかこの映画の映像が日本でも広く公開されることを願いつつ、最後に、うちの息子が愛してやまないパンダのぬいぐるみをご紹介して終わりたいと思います(笑)
追記:日本で映画公開決定!
映画『안녕, 할부지』の海外上映が決定しました!
日本では 2025年4月18日(金) に公開されました。
タイトルは『私の親愛なるフーバオ』として公開中。
限られた劇場での上映ではありますが、パンダ好きはもちろん、心温まるドキュメンタリーを探している方にはぜひ観ていただきたい作品です。
【公式サイト】私の親愛なるフーバオ
【WEEKEND CINEMA公式YOUTUBE】
【“フーバオのおじいちゃん”から日本の皆さんへ『私の親愛なるフーバオ』カン・チョルウォン飼育員のメッセージ映像】
※この記事は2025年6月時点の内容です。映画は現在も公開中です。