ことし4月、韓国から中国に返還されたジャイアントパンダのプバオ&パンダ一家(バオファミリー)がドキュメンタリー映画になりました。
チュソク(韓国のお盆)を前に公開される映画ということで、連休中には家族で観れる映画としても話題になるでしょう。
9月4日公開の映画、「안녕, 할부지(アンニョン、おじいちゃん)」。
私も早速予約し、公開初日の朝一に映画館で観てきました。
韓国国民に愛されたプバオ、私の推しであるバオファミリーの感動の物語を紹介させていただきます。
韓国のスターパンダ・プバオ
映画「안녕, 할부지(アンニョン、おじいちゃん)」は、韓国・エバーランドのパンダワールドにいた長女のプバオと飼育員さんたちとの別れがメインのお話です。
韓国のパンダ家族を簡単に紹介すると、
ロバオ(お父さん)、アイバオ(お母さん)、プバオ(長女)、ルイバオ・フイバオ(1歳の双子姉妹)
の5頭。すべて名前にバオ(宝)が入っているので、バオファミリーと呼ばれたりします。
今年、プバオが中国に行ってしまったので、現在韓国で生活しているジャイアントパンダは4頭となります。
プバオがなぜ韓国国民にここまで愛されたかというと、コロナ禍という大変な時期にすくすく元気に育つプバオに癒されたということ、プバオの可愛らしさと明るい性格、飼育員さんたちとの微笑ましいやり取りが動画を通じてヒットしたことにあるのではと思います。
元々、韓国ではパンダに対する関心が薄かったんですよね。
クマよりも虎!と、強い動物を好む傾向があるということもありますが、プバオが生まれる前後は、パンダを見るための行列はなかったと思います。
映画の内容
映画「안녕, 할부지(アンニョン、おじいちゃん)」は、韓国で初めて自然繁殖で生まれたプバオと飼育員さんたちとの1354日、出会いと別れを描いたドキュメンタリー映画です。上映時間は、1時間35分。
予告されていた別れと言われるように、海外で生まれたジャイアントパンダたちは、生まれる前から中国へ渡ることが決まっています。
それでも、飼育員さんたちは家族のように、いつも寄り添いお世話をします。
「안녕, 할부지(アンニョン、おじいちゃん)」というタイトルのおじいちゃんは、2人のベテラン飼育員であるカンバオ、ソンバオを指し、愛情いっぱいにパンダたちの世話をしたり、交流する姿、野生動物の生態についていつも分かりやすく説明してくれます。
「愛をあげたのは私だったけれど、幸せをくれたのはあなただった」
副題だけで泣ける・・。幸せを与える宝物という意味を持つプバオ(福宝)は、飼育員さんや国民に愛されながら育ち、ただ存在しているだけでみんなに幸せを与えてくれました。
飼育員さんたちによる公式動画は毎週アップされていますが、映画では未公開映像やかわいいアニメーションが盛り込まれています。
プバオが中国へ旅立つ前の検疫期間(約1ヵ月)の室内での様子や、エバーランドから出発し飛行機に乗せる場面、数か月後におじいちゃんが中国にプバオと再会するシーンなど感動シーンが多く、また、双子パンダたちの可愛く育つ様子も収められています。
バオファミリーを全く知らない人でも、動物と人間の絆を感じることができる良い作品ではと思います。
個人的には、アイバオ(母パンダ)や飼育員さんが懸命に育児をする姿を見てファンになりました。動物は本能のままに行動するので純粋でいいなと思います。
映画の予告編はこちら。
この映画のために作られたOSTのMV:김푸름 “안녕”(キム・プルム”アンニョン”)
映像の中で出てくるアニメーションの一部です。この曲を聴くとプバオが思い出されて悲しくなりますが、ステキな声と歌です。
映画を観た感想
大きなスクリーンで可愛いパンダたちが観れたということが、最大に嬉しかったこと。
映像がキレイで、プバオたちの毛のフサフサな感じがよく伝わりました。
パンダ一家が出てくるだけで、ただただ可愛くて可愛くて。それ以上の感想がないくらい可愛いの連続!
個人的には、飼育員さんたちの公式動画を毎日のように観ているので、プバオが生まれてから今までのバオたちがどのように生活してきたか知っているつもりですが、未公開のお宝映像を見るためにも映画は絶対観ようと思いました。
ちなみに、タイトルのなかにある”할부지”は、子どもがおじいちゃんを呼ぶ可愛らしい言い方。
韓国語の標準語では、「おじいさん、祖父=ハラボジ(할아버지)」が正解です。
また、안녕(アンニョン)はいくつも意味があって、別れの話が中心ということで、「バイバイ、おじいちゃん」という意味でもあり、中国で再会したときの挨拶として、「こんにちは」も含まれているかもしれませんね。
映画館の限定品
私の行ったCGV(映画館)では、パンダを連想させる黒と白のポップコーンが公開日に合わせて販売されるとのことで早速購入してみました。
「パンダ黒糖スイートポップコーン」は、黒い方は、黒糖がコーティングされた甘いポップコーン、白は通常の塩味です。プバオの可愛いパッケージがいいですね~!
そして、別の日に映画館・ロッテシネマにも行ったところ、こちらでも通常のポップコーンセット+プバオキーリングのコラボ商品が発売されていましたが、既に完売だそうで、、。
映画公開から2日しか経っていないのに、さすがプバオだなと思いました。
こちらは、映画を観たあとにもらえるスペシャルチケット。
映画を観た後に当日だけもらえる、知る人ぞ知る限定品。
スタッフに申し出ないと貰えないので、知らない人も多いと思います。分厚くしっかりしているので、しおりにしようかな~w
さいごに
ジャイアントパンダは絶滅のおそれのある希少動物ですが、妊娠自体がとても難しい動物。
日本でも韓国でも自然交配による繁殖が成功していますが、これは動物園の努力の賜物であって奇跡のようなことです。
実際に日本の上野動物園では、29年という長い時間を経てシャンシャンが誕生しましたし、韓国のエバーランドでは、現在のロバオ・アイバオ夫婦の前にいたミンミン・リリカップルは、一度も妊娠することはなく5年後に中国に返還されました。
動物のなかでパンダだけが特別ではありませんが、好きになればなるほど、とても不思議なパンダという野生生物に魅了される人はたくさんいると思います。
パンダたちを増やし守るため、プバオも中国へ行くことになりました。
プバオより1年早く中国に返還された日本生まれのシャンシャンも、四川省の雅安(があん)にある中国ジャイアントパンダ保護研究センターで暮らしています。同じ施設にいるのがなんだか嬉しいですね。
すごく人見知りなシャンシャンはなかなか環境に慣れず、一般公開までとても時間が掛かったようです。
プバオが中国に渡るというので、シャンシャンの映像が韓国のメディアでも紹介されて、プバオも環境に慣れるまで時間がかかるか心配する声がありましたが、プバオは全くそのようなことがなかったとのこと。(よく食べ良く寝る・・)
個体によって性格が全く違うというのも興味深いです。
映画を観てプバオが去る日のことを思い出して少し喪失感に襲われましたが、プバオは全く気にしていない性格なので、そこが救いかなとw
パンダファンが増えることと、いつか日本でも映画の映像が公開されることを期待しつつ、、息子の愛するパンダぬいぐるみを紹介して終わりたいと思います(笑)
追記(9月9日):映画「안녕, 할부지」の海外各国での上映が決定しました!日本でも10月以降に公開されるようです。