息子はとても繊細な性格だったため、できるだけ長く家庭で過ごすことを大切にしてきました。
でもあるとき、「そろそろ他の子どもたちともふれ合わせたいな…」と思い、年少の途中から保育園に通わせることに。
「うまく慣れてくれたらラッキー」くらいの気持ちでいたのですが――結果は惨敗。
登園を嫌がる日々が続き、結局慣れることはなく、環境を変えるために転園を決断しました。
そんな年少だった息子も、今では年中さんに。
さて、あれほど悩んだ登園拒否は、今どうなるのでしょうか?
5歳でも登園しぶりは続いているのか?
答えは……「まだ(たまに)続いております」(苦笑)。
今朝も、泣きながら私から離れていきましたからね(笑)
息子はとても繊細で、そして頑固な性格。その基本的な性質は変わっていません。
紆余曲折を経てようやく保育園生活に慣れてきたものの、やっぱり今も「がんばって通っている」感は強いです。
みなさんのお子さんはいかがですか?
もし、入園から数週間で登園しぶりがなくなったり、園に入ってしまえば元気に遊んでいるようであれば、それほど心配しなくても大丈夫かもしれません。
ただ、登園しぶりが長引いている場合には、それなりの“覚悟”が必要になることもあると思います。
「保育園なんて、当たり前に通えるもの」――そう思っていたけれど、子育てに“当たり前”はないんだと、日々実感させられます。
我が家では登園しぶりが本当に長く続いていて、何度も悩みました。
そして正直、まだまだ続いていくような予感もしています(汗)。
それではここから、私の実体験をもとに「登園拒否&登園しぶり」について振り返っていきたいと思います。
息子の登園しぶりまとめ(3歳~5歳)
3歳(年少) はじめての保育園
- 入園初日:30分の慣らし保育 → 泣きながら終了
- 2日目:朝から登園拒否。号泣しながら無理やり連れて行く
- 2週目以降(午前保育のみ):
- 毎朝、園に着くと脱走しようとする
- 園から送られてくる写真のほとんどが泣いている姿
- 慣れる様子が見られず、先生から毎日電話がかかってくる
結果:母子ともに限界を感じ、3ヶ月で退園。
当時はコロナ禍で、園内に親が入れず、息子はいきなり母と離れる人生初の体験をすることになりました。
案の定、初日から登園拒否。雪の降る日でも、園の前で1時間泣き続ける毎日でした。
園の子たちはニコニコ通っていて、「なんでうちの子だけ……」と私の心はズタズタ。
さらに先生からは毎日のように、
「長年子どもを見てきたけれど、ここまで慣れない子は初めてです。」
とプレッシャーのある電話がかかってきて、完全に心が折れました。
息子はとても頑固で、一度「イヤ」と思ったことを覆すのが難しいタイプ。
「この園には合わないかも」と感じ、午前保育のまま3ヶ月で退園することを決断しました。
園自体はプログラムも魅力的で素晴らしかったのですが、外遊びが少ない、先生との相性、園の規模などが合わなかったのだと思います。
そこで、4歳からは近所の小規模保育園に転園することにしました。
4歳(年中) 小規模保育園に転園
- 慣らし保育(通常2週間) → 3ヶ月かかる。私がほぼ付き添い
- 入園3ヶ月〜半年:
- 午前保育のみ
- オーガニック野菜中心の給食が食べられず
- 韓国語ができなかったため、言葉の壁で気後れし友だちと遊べず
- 朝は号泣。ひどい日は家から出られないことも
- 年中後半:
- 言葉の理解が進み、自己主張もできるように
- 友だちとの会話が生まれ、園での遊びも楽しめるように
- 登園しぶりは、長期連休明け、月曜日、不安なときに発生
- 一度不安になると、1週間ほど続く
転園してからは、園の雰囲気・先生との関係・遊び中心のカリキュラム・山歩きなど、息子に合った要素が増えました。
とはいえ、やはり昼寝がイヤ・先生に叱られた・ちょっとした不安があったなどをきっかけに、今でも登園しぶりはたまに出てきます。
息子は年中になっても、相変わらず「保育園に行きたくない〜」という日があります。
たとえ先生や友だちに恵まれていても、“嫌なものは嫌”という気持ちは変わらないんですよね。

ぼくは、まいにちいっしょうけんめい、オリニチプ(保育園)にいっているんだよ
登園しぶりで園は休ませる?休ませない?
朝の忙しい時間に、「保育園行きたくない〜」と子どもに言われたとき、どうすればいいのでしょうか。
無理にでも行かせた方がいい?それとも、子どもの気持ちを尊重して休ませるべき?
親として、毎回迷う場面ですよね。
何年も登園しぶりと向き合ってきた私が、いろいろ試した末にたどり着いた結論は――
「親に余裕があるなら、たまに休ませても大丈夫」
です(苦笑)
保育園は義務教育ではないので、絶対に毎日通わせなければならないわけではありません。
そして子どもはとても柔軟。少し休んだくらいで大きく後れを取るようなことも、実はあまりないと感じています。
「子どもがどうか」より、「親に余裕があるか」
登園しぶりのときに一番大事なのは、子どもよりも“親がその時間を一緒に過ごせるか”どうかかもしれません。
時間的にも、精神的にも余裕があるなら、思い切って休ませるのもひとつの手。
我が家では、年中以降は病気以外ではなるべく登園させるようにしています。
4歳になるまでずっと寄り添ってきた私も、精神的・体力的に限界を感じるようになり、
「ダメなことはダメ」と伝えるメリハリのある関わり方へと切り替えていきました。
感情的ではなく、優しく伝える
登園しぶりに対応するとき、感情的に「行かなきゃダメ!」と怒ってしまうと、子どもにも不安が伝染してしまいます。
そうなると、癇癪がさらにひどくなってしまうことも…。
我が家では、「今日は休む?」などと選択肢を与えすぎず、
「今日はお休みしておうちでゆっくりしよう。でも、明日は保育園に行こうね」と、短く、やさしく伝えるようにしています。
細かい理由や説明はあえてせずとも、子どもは「保育園に行かないことは特別なこと」と理解しています。
だからこそ、過度に説明しなくても大丈夫。
行くだけでも意味がある
登園してみたけれど、園に入れず帰ることになった…という日もあるかもしれません。
でも、「とりあえず行ってみる」という行動そのものが、とても大切だと思っています。
園に着いてしまえば、あとは先生にお任せして大丈夫。
泣いて暴れても、先生にお願いすればなんとかなります。
それでも、もし本当に子どもが限界の状態であれば、体にサインが出てきます。
腹痛・頭痛・発熱など、明確な“拒否のかたち”が出てきたら、そのときはきっぱりと休ませるのがよいですね。
公園を逃げまわる息子と、真面目すぎる母
我が家には、「保育園に行く前に公園で遊ぶ→そこから登園」という流れを半年ほど続けていた時期がありました。
それでも結局、園には行けずに終わる日もしばしば…。
ひどいときは、園の前にある公園までしか行けない。
毎日先生に連絡して、公園まで迎えに来てもらっていました。
でも、先生が迎えに来ても、息子は公園中を逃げ回る逃げ回る……(苦笑)
本当に申し訳なくて、でも、ありがたくて。
そのとき思ったのは、先生にお任せするなら“あえて離れる”のも大事だということ。
「登園は当たり前」という考えがプレッシャーに
私自身がとても真面目な性格で、「登園するのは当たり前」と強く思い込んでいたせいで、うまくいかないことが続いたとき、私の余裕がなくなり、息子にきつく当たってしまうこともありました。
その結果は…当然のことながら、癇癪→私が叱る→さらに悪化、の悪循環。
今振り返ると、もっと私自身がゆったり構えていれば、状況も変わっていたかもしれないと感じます。
息子は、「保育園は行かなきゃいけない場所」ということを理解しているんです。
でも、それでも不安が勝つときがある。
正反対の親子だけど、それもいい
ちなみに私は、自分が登園しぶりをしたことがないタイプ。
だから、息子の気持ちが本当の意味では分からないんですよね。
自己主張の苦手な私と、主張が強すぎる息子。
ときどき、「ちょっとうらやましいな…」なんて思ったりもしますが、
それも、きっと親子としてのバランスなのかもしれません(苦笑)

登園しぶりの原因と対応策
登園しぶりが続くと、「何が原因なんだろう?」「どう対応したらいいんだろう?」と悩みますよね。
私自身、5歳の息子の登園しぶりに何年も向き合ってきましたが、その中で見えてきたことを少し整理してみました。
登園しぶりの主な原因
子どもが「保育園(幼稚園)に行きたくない」と感じる理由はさまざまです。
少し調べてみると、次のような原因が挙げられていました。
- 入園・進級など、環境の変化に適応できない
- 長期連休明けで、再び集団生活に不安や緊張を感じる
- 苦手なことがある(友だちとのトラブル、先生に叱られた、給食、昼寝など)
- 家庭内の変化(引っ越し、きょうだいの誕生、夫婦げんかなど)
- 生活リズムが乱れている(睡眠不足、疲れすぎ)
- 親と離れたくない
- 体調がすぐれない
- 感覚に敏感で、音・におい・服の素材などにストレスを感じている
- 元々不安を感じやすい気質
- 明確な理由はなく「なんとなく行きたくない」気分のときも
年齢が上がるほど、原因は複雑に
休み明けなど、一時的な寂しさや不安から来る登園しぶりもあれば、園生活に慣れてきた頃に急に「行きたくない」と言い出すこともあります。
その場合は、園内での出来事(人間関係・先生との関わり・集団活動など)に原因がある可能性も。
年齢が上がるにつれて、子どもの感情も環境も複雑になります。
だからこそ、普段から子どもの様子をよく観察し、早めに変化に気づいてあげることが大切です。
息子の現在の原因は…
ちなみに、我が家の5歳の息子が今も登園しぶりをするときは、たいてい「お昼寝がイヤ!」が理由です(笑)
また、五感が敏感な子なので、水遊びで肌を見せるのがイヤだったり、服の感触が気になったり…。
先生に叱られた日などは、帰宅後がっくり落ち込んで、
「もう行かない……」
とまで言っていました。
小さな頭でいろいろ考えているんだろうな、と感じるので、できるだけあたたかく見守るようにしています。
登園しぶりへの対応
子どもが「行きたくない」と言い出したら、まず大切なのは“原因を把握すること”。
そして、その原因に合わせて家庭でできる対応を工夫していくことです。
対応①:思い切って休ませる
子どもが本当にしんどそうなときは、思い切ってお休みしてしまうのも一つの方法。
「今日はおうちでゆっくりしよう。でも、明日は保育園に行こうね」と、休むことを特別な時間にしてあげると、気持ちのリセットになります。
我が家でも何度か休ませていますが、「休みグセ」になったことはありませんでした。
休む日は、一緒にクッキーを作ったり、掃除や料理をしたり。
「一緒におうちのことをしようね」と、遊びの延長のように過ごすことで、心が落ち着いていくように思います。
対応②:子どもの気持ちに共感する
子どもが何かを嫌がっているとき、まずは気持ちを受け止めてあげることが何より大切です。
「そっか、〇〇が嫌だったんだね。つらかったね。」
そう言って共感するだけで、子どもの心は少しほぐれます。
そのうえで、「〇〇ちゃんと遊ぶの楽しそうだね」
「今日のおやつ、〇〇だったらうれしいね」など、ポジティブな声かけで前向きな気持ちに導いてあげられると◎。
対応③:園と家庭で連携する
園の先生に、子どもの様子や気になることをきちんと伝えることも大切です。
保育士さんは多忙なので、子ども一人ひとりを細かく見られないことも。
家庭の様子を共有することで、先生側の理解も深まり、具体的なサポートにつながることもあります。
また、園での様子もよく聞いて、家庭と保育園が一緒に子どもを見守っていく姿勢を持つことが、長い目で見ても大切だと感じます。
「なんとなく行きたくない」だけの登園しぶりもある
毎朝の「行きたくない」は、気分だけのことも意外と多いもの。
そんなときは、通常どおり園に連れて行って大丈夫。
一度園に入ってしまえば、あっという間に切り替わって遊び出す子もたくさんいます。
大切なのは、無理に引きずらず、子どものペースも見つつバランスをとること。
毎日の声かけの積み重ねで、少しずつ気持ちは変わっていきます。
さいごに
大丈夫。いつかは元気に登園するようになります
登園拒否が続くと、本当に親の心が折れそうになりますよね。
自分の時間もなくなるし、朝から気力も体力も使い果たしてヘトヘト……。
元気に登園していく他の子どもたちを見ると、
「なぜうちの子だけ……」
と悲しい気持ちになることも、何度もありました。
登園しぶりを経験したことのない人には、
「なんであんなに騒ぐの?」「親の甘やかしなんじゃない?」なんて、横目で見られるようなこともありました。
でも、それでも大丈夫です。
幼少期のつまずきや苦労は、何も恥ずかしいことではありません。
むしろ、小さいうちだからこそ、いくらでもやり直せる。いくらでも寄り添える。
親子でたくさん悩んで、迷って、考えて、そうして向き合っていく時間こそが、何よりも大切な土台になると、私は思います。
私の息子は、入園から1年半以上、ひどい登園拒否が続きました。
「行きたくない」ではなく、「家から出たがらない」というレベルで、保育園にたどり着くまでが、まさに長い長い道のり。
それでも、ある日ふっと、スッと園に行けるようになった瞬間が来たんです。
気がつけば、午前保育で精一杯だった生活も終わり、年長になる直前には、しっかり一日を過ごせるようになっていました。
子どもが登園できるようになるタイミングは、本当に人それぞれです。
でも、必ず少しずつ変化していきます。
「いつかは行けるようになる日が来る」と信じて、私たちもストレスを溜めすぎず、気長に、あたたかく見守っていきましょう。