韓国でよく聞く言葉、「チャンソリ(잔소리/小言、説教)」。
目上の人からの有難いようで傷つく小言や文句、説教ですが、こちら韓国では、本当にこのチャンソリを聞く機会が多い!
つい先日、韓国ではチュソク連休(旧盆)が終わったばかりで、私の気力がダウン気味。。
家族が集まるお正月やお盆などに、「言われたくない小言一覧」が若者の間で話題になっていると知り、調べてみることにしました。
私も深く共感しつつ、どうか世の中から小言が減って楽しい名節連休が過ごせますように・・との願いを込めて、ご紹介したいと思います(笑)
小言メニュー表(잔소리 메뉴판)
たまに会う家族や親戚から繰り返される小言。
韓国のMZ世代(20代~30代前半の若者世代)が作って話題になったという、「小言メニュー表(잔소리 메뉴판)」は、名前の通り、レストランにあるようなメニュー表に、よく言われる小言が金額とともに書いてあります。
メニュー表にある小言一覧から抜粋してみると・・。
メニュー表には、
「※これまで無料で提供されてきましたが、2021年から有料サービスに転換されましたので前払いでご利用ください。」
という注意書きがあり、小言を聞く代わりに前払いでお金払ってねという細かい設定までありますw
よく言われがちなお小言ですねぇ。心配だからこそ言いたくなる気持ちも分からないではないけれど。
私の場合は・・
結婚後は顔を合わせるたびに、「子どもはまだ?」、出産したばかりでも、「2人目はどうするの?」。
あとは、夫との会話が日本語なので、「韓国語で喋りなさい」と強めに言われたりしました。
親心からくるものだと分かっていますが、自分が気にしていることを言われると少なからず傷つきますよね。
勉強、就職、結婚、出産・育児、どれもこれも、今の時代簡単なことではないのに。。
ちなみに、年長者からの小言には反論してはいけません(ひぇ~!)。
さすが幼少期から両親にも敬語を使う国。
韓国では年上を立てなければいけないし上下関係も厳しいので、逆らうようなことはできないようです。
面と向かって反論できないからこそ、このようなメニュー表が若者によって作られ話題になったということでしょう。(メニュー表の書かれたTシャツも販売されている・・w)
他人の言葉で悩まないために
年配者からの心配や励ましという意味でかけられる言葉も、受け取る方としては、ただの有難迷惑や小言に聞こえたりもします。
韓国の場合、家族や親戚の関係が密なため、人によっては名節以外でもよく会ったりして、小言は避けて通れない道。
それでは、どうしたら家族の小言に悩まず、言われたことを消化すればよいか? 対応策を考えてみたいと思います。
権力者を味方にする
自分の味方がいることがとても大事。できれば、権力がある人が良いです。
弱い立場でも強い味方がいれば威力が絶大に。口撃の対象から外れたりします。
私の場合は、夫と義母が味方でいてくれるので、何か言われたとしてもイザというときは庇ってもらえます。
先ずは、無視せず聞く
最初に段階から無視してしまうと、自分から他の対象(親や子ども)に矛先が向き、大喧嘩に発展するかもしれないので、とりあえず話は聞くことが最善策。
話を聞いたうえで、反論する
「ご心配ありがとうございます」と、お礼を言ってから反論開始。
結婚しないの?と言われたら、「結婚資金はどうしましょう。助けてもらえますか?」。子供を産まないの?と聞かれたら、「子どもを産んだら育ててくれますか?時代が違うので、共働きの可能性もあるし何かしらの援助が必要です」と、正直に訴える。(愛嬌を振りまくorフラットな態度で)
物理的な距離を取る
家族や親戚との久しぶりの再会は喜ばしいことですが、どうしても小言に耐えられそうにない場合は、「行かない、会わない」という手もあります。
実際、韓国の若者たちの半数は、お正月やお盆連休に実家へ帰らないそう。
せっかくの連休に心身ともに疲れるよりも、せっかくの休みを満喫したい気持ちがそうさせるのかもしれません。
断れない場合でも、仕事があるなどの理由で実家との物理的な距離を取る人もいます。
オススメしたい韓国人著者の本
私がどうにもならない人間関係に悩んだときに偶然手に取った本は、韓国人の自己啓発エッセイでした。
日本に帰省中のときに見つけた本ですが、韓国は自己主張が強い人が多い一方で、日本と同じように集団主義の文化のため、自分を抑え込む・・という繊細な面もあります。
この本には、「自分を守りながら、いかに他の人とバランスを取りながら生きていけるか」が書かれていて、私も人間関係にモヤモヤしたときに繰り返し読んでいます。
著者がイラストレーターということもあり、絵がとても可愛らしく、文章も読みやすかったです。
息子はHSCという超敏感児ですが、たぶん私も過敏で傷つきやすい面を持っています。
だからこそ、幼い息子に大切だった「刺激の量を減らすこと」が、私自身にも必要なことなんだと、気がつきました。(刺激を与える人物と距離を取ることが大事!)
もう1冊、同じくキム・スヒョンさんの「私は私のままで生きることにした」は、2019年から3年連続でベストセラーだそうです。
激しい学歴・競争社会の韓国で生きている若者たちは、このような本を読むことで癒されているのでしょう。
あともう1冊。こちらも韓国でベストセラーになった本、「あやうく一生懸命生きるところだった」。
子どもから大人まで頑張り続けなければならない韓国で、40歳を前に会社を辞めた著者の話。
年をある程度重ねてしまった私だからかとても納得でき、「あぁ、これで良いのかも」と心が楽になった本です。現実社会に戻る前に、少し休みたい人向けの本かなと思います。
さいごに
個人的な話ですが、今年のお盆(チュソク)では、息子の小規模学校について親戚からあれこれ言われました。
息子が気に入っている場所なのに、親戚全員の前で良くないことばかり聞かされるという・・。
自分たちの子どもが成功(韓国では成績優秀にあたる)したからと言って、それが誰にでも当てはまるわけではないと思うのですが、アドバイスしたくて仕方ない様子。
いや、マウントを取りたいだけかもしれませんが、さすがに今回は話が長くて辛かった。。
夫はそういう人だと分かっているので敢えて何も言わず、私は立場が一番下なので心を無にして聞くのみ。
悪意があって言っているのではないと分かっているし、口撃というほどでもないので反論にも及ばず、、ただただ息子を比較対象にされたことで、しばらくモヤモヤした気分から抜け出せませんでした。
家庭や世代によってはこのような雰囲気にはならないかもしれませんが、、、集まったときは、もう少し当たり障りない会話をした方が賢明ですねw
「人付き合いがうまいというのは、人を許せるということだ。」というロバート・フロストの言葉がありますが、この言葉の通り、「人を許す」ことをしている夫のコミュニケーション能力は素晴らしいし、結果、ストレスフリー。
その点、小さなことでグチグチ悩む私は、まだまだ心が狭いな・・と反省。
韓国で話題の「小言メニュー表」に共感しつつ、私が小言を言う側にならないよう、自分がされて嫌なことだけはしないようにしようと誓いました。