3月に入学したばかりの新1年生。
息子も私も、まだまだバタバタと慣れない毎日を送っています(苦笑)
授業が始まって約3週間が経ち、ようやく韓国の公立小学校の1日のスケジュールや流れが見えてきました。
私は日本の小学校育ちなので、韓国の小学校事情はほとんど未知の世界。
「教科書は持ち帰らない」「集団登校がない」「宿題がない」「下校が早い」「パンガフがある」など、断片的な情報だけで、具体的な一日の流れはよく分かっていませんでした。
時間割はもらったものの、詳細な説明はなく、なんとなくスタートしてしまった学校生活。
この記事では、実際に通ってみて初めて分かった“韓国小学生のリアルな1日”をご紹介します。
日韓の違いを楽しみながら、気軽に読んでいただけたら嬉しいです。
時間割が違う日本と韓国
いざ韓国の小学校に入学してみると、1日の流れが日本とまったく違うことに気づきました。
保育園の頃から「登園時間がやけに遅いなぁ」と感じていたのですが(10時スタート)、やはり小学校も日本より登校時間が遅めです。
なかなか興味深いので、ここで日本と韓国の小学校の時間割を比較してみます。
項目 | 日本(一般的な例) | 韓国(息子の学校) |
---|---|---|
登校時間 | 8:00~8:20 | 8:40~8:50 |
授業時間 | 45分 | 40分 |
下校時間(4時間授業) | 13:30頃 | 12:20 |
下校時間(5時間授業) | 15:15頃 | 13:30 |
韓国公立小学校の特徴
- 登校時間が日本より遅め
- 1コマ40分で、日本より授業時間が短い
- 休み時間が短い
- 朝の会や帰りの会、掃除の時間がほとんどない(サッと済ませる程度)
表のとおり、息子の通う学校では4時間授業なら12:20に下校、5時間授業でも13:30には下校。
給食を食べ終わるとすぐに帰るというスピード感!
しかも、集団下校もないので、低学年のうちは保護者が迎えに行く必要があります。
あまりにも帰りが早すぎて「他の子たちはどうしているのかな?」と先生に聞いてみたところ、
クラス全員が共働き家庭で、給食後はそのままトルボム(学童)へ直行しているとのこと。
えっ?お昼休憩に遊ぶ時間はないの…?
授業が終わったあとは、息子だけ私と下校。
他の子どもたちはそのまま学校内で夕方まで預かってもらえるのだそうです。
すがに12時過ぎに毎日帰宅されるのは、ちょっと早すぎる…!
しかも、息子だけクラスメイトと一緒に遊べないという状況。
これはちょっと困ったな…と正直思いました。
宿題がないから教科書は持ち帰らない?
「韓国の小学生は教科書を持ち帰らない」という話は聞いたことがありましたが、
実際に入学してみると、本当に教科書は学校に置きっぱなし!
夫に確認したところ、昔から韓国ではこれが普通なんだそうです。
ちなみに、上履きは毎日持ち帰るという謎ルールもあり、日本育ちの私にはちょっと不思議に感じることばかり(笑)
とはいえ、ランドセルを背負う息子にとっては、教科書を持ち歩かなくて済むのはありがたいこと。
毎日の持ち物は、筆箱と水筒、そして図書館で借りた絵本1冊だけという超軽量スタイルです。
「宿題がほとんど出ない」と聞いてはいましたが、本当に“宿題”という言葉すら聞きません。
まだ1年生だからなのかもしれませんが、「文字の練習とか、しなくていいのかな…?」とつい不安になることも。
学校の図書館は大人気のようで、時間があれば子どもたちは自由に通っています。
登校後、まず図書館で本を借りる子も多くて、朝から図書館と教室を行ったり来たりしている子どもたちの姿がとても印象的。
韓国では、幼少期から読書習慣を身につけさせたいと考える保護者が多く、
学校でもさまざまな工夫をして読書を促しています。
実際、韓国の子育て家庭にお邪魔すると、本棚がぎっしり本で埋まっていることもしばしば・・。
「これ、読みきれるの?」と内心ツッコミたくなるレベルです(汗)
国語が3時間続く日も!?「ブロック授業」とは
息子がもらってきた時間割を見て、思わずびっくり。
「国語が3時間連続で入ってる…!?」
何これ?と調べてみたところ、これは「ブロック授業」という形式だそうです。
ブロック授業とは?
1日に同じ教科を続けて行う授業スタイルで、
- 教科ごとに集中して学習できる
- 学習の進み具合に合わせて柔軟に時間配分ができる
などのメリットがあるそうです。
韓国の一部の小学校では、このようなスタイルが取り入れられているとのこと。
1年生ということもあり、息子の学校では午前中の授業を早めに終えて給食を食べるような流れになっているようです。
これで、「9時始業→12時お迎え」という謎のスケジュールにも納得!
休み時間は各10分間と短く、息子いわく「遊ぶ時間はほとんどない」とのこと。
日本のような“業間休み”や“長めの昼休み”は今のところなさそうです。
さらに驚いたのは、毎週、先生から配布される“学習予定表”の存在。
教科書のどのページを何時間目にやるか、細かく書かれているんです!
これって…「家でもしっかり復習してね」ってことかな?教科書は家にないけれどw

給食と掃除当番で感じる文化の違い
韓国の小学校では、給食当番も掃除当番もありません。
日本では当たり前のようにみんなで行っていることでも、海外では「それは仕事」と考えられている文化も多いんだなと実感しました。
韓国の学校では、給食は教室ではなく「給食室(급식실)」に移動して食べるスタイル。
まるで学食や社員食堂のように、係の方が用意してくれたおかずをお皿に盛ってもらい、席に座って食事をします。
掃除についても、外部の清掃業者に任せるのが基本で、子どもたちが掃除をすることはほとんどありません。
入学時にプレゼントされたのは、おもちゃのような「ミニちりとり&ほうき」セット。
それで自分の机と周りを軽くキレイにするだけの“自分エリア掃除”がある程度で、日本のような当番制の掃除とは全然違います。
んー、、「カルチャーショック」ですねぇ(笑)
さいごに
こうして小学校の時間割を通して日韓を比較してみると、改めておもしろさと違いを感じます。
地理的には近い国なのに、学校生活の仕組みはまるで別世界。
特に韓国の小学校は、「遅く始まって、早く終わる」というのが最大の特徴ではないでしょうか。
低学年のうちは授業時間が短く、ゆったりと過ごす一方で、3年生頃から少しずつ授業数が増え、最終的には日本と同じくらいの総授業時間になるようです。
韓国では、早期教育の影響で「塾優先・学校はサブ」という流れが定着していた時期がありました。
その反動として、登校時間が遅くなり、授業も早く終わるようになった背景があるそうです。
最近では、そうした“過剰な私教育”を抑えるために、学校側でも放課後の学習サポートや多様な教育プログラムの提供が進められています。
塾に頼らずとも、学校内でしっかり学べる仕組みがあるのは、本当にありがたいことですね。
次回は、そんな韓国の「放課後教育制度」や支援プログラムについて、実体験を交えてご紹介したいと思います!