~慎重すぎるくらいでちょうどいい、HSCの習い事選び~
初めて子どもに習い事を選ぶときは、子どもがどんな性格であっても慎重になりますが、HSCという人一倍敏感な性質を持つ子どもは、先生や子どもたち、雰囲気などの相性は、本人のやる気と同じくらい大切です。
今回は、HSCの息子が実際に体験してきた習い事の中で、「良かった点・合わなかった点」を正直にご紹介。
どんな習い事がHSCの子に向いているのか、親として見えてきたポイントを共有します。
HSCに最適な習い事環境とは?
HSC(Highly Sensitive Child/ひといちばい敏感な子)は、心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した概念で、全体の約15~20%、つまり“5人に1人”ほどが該当すると言われる特性です。
周囲の音や空気、先生や友だちのちょっとした表情や声のトーンにも敏感に反応しやすく、その繊細さから「いつもと違う雰囲気」や「ちょっとした言葉」だけでも心を揺さぶられてしまうことがあります。
そのため、習い事選びでは「何を学ぶか」よりも、「どんな環境で、どんな人と学ぶか」がとても重要になります。
私の息子の経験からも、HSCにとって合う習い事の特徴としては、以下のようなポイントが挙げられます:
特に、アート系や音楽系、個人で取り組めるスポーツ、オンラインで受講できる習い事は、安心感のある空間で学べるため、HSCとの相性がとても良いと感じています。
大切なのは、子どもが「ここなら自分らしくいられる」と思えること。安心できる環境こそが、HSCの子どもたちの学びをそっと後押ししてくれるのです。
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息子が初めて取り組んだ習い事は、小学校の放課後に校内で行われる選択制レッスンでした。外部講師による全5講座を受講したのですが、実はこれがなかなかの挑戦に…。
まだ入学したばかりの1年生。学校生活自体に慣れていない中で、放課後の習い事まで始まったことで、本人にはかなりの負担があったと思います。
初日は教室の前で固まり、なかなか中に入れず。授業が始まっても、気持ちが落ち着かない様子が続きました。
でも、そんな中で本当にありがたかったのが、担任の先生のサポート。教室まで付き添ってくださり、息子が安心して中に入れるように何度も声をかけてくださいました。
そのおかげで、約2ヶ月後には自分で教室に入って授業を受けられるようになり、今では楽しそうに活動しています。
授業の内容自体は好きなのに、“場所に入るまで”が一番のハードル。これはHSCならではの特性かもしれません。
時間はかかっても、「慣れれば楽しめる」ことを身をもって実感したスタートでした。
1年生息子の習い事
1年生になった息子には、これまで習い事の経験はありませんでした。保育園時代は外遊びが中心で、家庭の方針としても特別な学習や習い事はしていなかったのです。
そんな我が家が習い事を始めたきっかけは、韓国の小学校の“早すぎる下校時間”。時間を持て余してしまうため、学校内で行われる放課後レッスン(選択制)に申し込むことにしました。
校内で受ける習い事は5つ。外部講師による少人数制で、環境としてはHSCの息子にも安心感がありそうです。先生との相性さえよければ、楽しみながら力を伸ばせるだろうと思い、まずは体験を重ねてみました。
結果はさまざまでしたが、「習い事を選ぶときは内容よりも“安心できる雰囲気かどうか”が大切」だと実感する日々です。
各習い事のリアル体験と相性
料理教室(◎)
小さい頃からお手伝いが好きだった息子にとって、料理教室はまさに天職のような習い事。
「お母さんに食べてほしい!」と意気込んで、毎回張り切って通っています。
少人数で静かな環境、優しい先生に褒められることで自信もつき、安心感が格段に上がった様子。
自分で作ったご飯は、苦手な食材でも食べられることがあり、食育の面でもとても良い影響を感じています。
ロボット教室(◯)
細かいパーツに最初は苦戦し、組み立てに時間がかかるとイライラすることも。
それでも「自分のロボットが動いた!」という達成感が大きく、回を重ねるごとに集中力もアップ。
1人で黙々と作業する時間が好きなHSCには合っていたようで、先生の丁寧なフォローも続けられた理由のひとつ。
作ったロボットで友だちと対戦する時間は、刺激になりつつも楽しい経験になっているようです。

英語教室(△)楽しくない・・
ワーク中心の進め方が息子には合わず、「つまらない」と感じるように。
授業そのものというより、先生の指導スタイルが合うかどうかが決め手になるのだと、改めて思い知らされました。
現在はオンラインの英語学習も視野に入れています。HSCの特性を考えると、気兼ねなく学べる自宅でのレッスンが合うかもしれません。

パソコン教室(×)先生が怖い・・
内容そのものは楽しいのに、先生の声が大きく厳しい雰囲気に、息子は毎回「行きたくない」と言うように。
HSCにとっては、「授業内容が面白いか」以上に、「先生が怖くないか」が続けられるかどうかの大きなポイントだと痛感。
現在は先生が変わるまで、いったんお休みしています。
バスケ&バトミントン(◎)
基本的に身体を動かすことが大好きなため、どんなスポーツでも楽しそう。
ダメなものはダメとハッキリ言う体育会系の先生たちですが、褒めるのも上手で怖さはないらしい。
内にため込む性格なので、スポーツをどんどんやってストレス解消をしてもらいたいと思っています。
はじめての外部習い事|テコンドー体験(◯〜△)
「やってみたい!」という息子の希望で、初めて学校外の習い事に挑戦。
体験授業に申し込みましたが、いざ行ってみると…教室に入ることすらできず、外からじっと見ているだけ。
大人数でのレッスンや掛け声の大きさなど、刺激が強すぎたようです。
でも、先生が息子の様子をよく観察してくれて、無理に参加させることなく丁寧に対応してくれたことは、とてもありがたかったです。
結局その後、知っている友だちがいないという理由から辞退することになりましたが、「やってみたい」と言ったこと、足を運んだこと、それだけでも大きな成長だと感じました。
“好き”が続くカギになる|得意×興味のダブル効果
息子が一番やりたいのは「野球」ですが、私が勧めたいのは「水泳」。
野球はチームスポーツで競争もあり、HSCには刺激が強いのではと心配も…。
でも、興味を最優先すると自ら頑張れることも多いのがHSCの特性。
そのため、「得意≠好き」ではなく、“好きな気持ち”が続けるエネルギーになると感じています。
習い事を嫌がることもある?そんな時の対処法
習い事を嫌がる原因は多くが「環境」にあります。
我が家でも「やってみたい気持ちがあるのに、場所・先生・雰囲気」で断念しそうになったことが何度も。
そのたびに「母子分離不安」「HSCの不安反応」への理解と対応が必要でした。
さいごに:環境と“やりたい気持ち”が見つける一歩
大切なのは、焦らず、寄り添いながら本人の気持ちを尊重すること。
小さな第一歩が、子どもにとっての「世界のつながり」になっていくはずです。