【小学生の韓国語学習①】1年生が国語の授業で学ぶこと

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1年生の夏休みが終わり、国語の授業のなかで、「パダスギ(聞き取り)」が始まりました。
入学して半年、いよいよ本格的にハングル学習が始まった感じがします。

日本同様、子どもたちに就学前から文字や数字を覚えさせることが多いですが、数年前までは国語の授業時間がとても少なかったので、ハングルの読み書きをできる状態で入学させることが一般的だったようです。

時代は変わり、今年からは更に国語の時間が増え、ゆとりをもって韓国語の学習ができるようになりました。

そこで今回は、韓国の国語の時間に変化や始まったばかりのパダスギについてお話したいと思います。

時間割と国語の授業時間

初めて韓国の小学校の時間割を見て驚いたことは、国語と算数以外の授業は、「統合教科」に含まれているということ。
日本の時間割であれば当たり前にある、音楽、図工、体育、生活といった教科が、なんだか曖昧に時間割の中に散りばめられています。

初めはよく分からず担任の先生に、「体育の授業はないんですか?」と聞いたところ、3年生から始まりますとのこと。
週1で外部から体育(遊び?)の先生が来て授業を受けているようですが、体を動かすべき低学年の時間割に体育がないなんて。なるほど、子どもの運動不足問題や運動系の習い事に通っている子どもが多いことに納得しました。

さて、ハングルの勉強が始まる1年生の国語の授業時間数は、今年から更に34時間増えて482時間!すごく充実しています。(※日本は306時間)

実は、2017年までは半分以下だった国語の時間のせいで、子どもたちは入学前に韓国語を身に付けておく必要があり、その結果、幼稚園や習い事などの早期教育が行き過ぎに・・。
これに歯止めをかけるため、小学校から文字の読み書きを始めても間に合うよう改善されたそう。

授業の内容はこれまでが暗記型だとすると、現在は時間に余裕ができたため、遊びを中心とした学習に変化しました。

こうして学校でのハングル教育は拡充されましたが、それでも入学前の早期教育競争はなんら変わっていないような・・。
とはいえ、息子は早期教育とは無縁の園生活を送ったので、基礎的な鉛筆の持ち方から丁寧に教えてもらえるというのは本当にありがたいです。

1年生で習うハングルの内容

ハングルの授業は、最も基本的な「鉛筆の持ち方」からスタート。
そして、子音・母音を学び、パッチム(母音の後ろに付く子音)のない文字、パッチムのある文字、二重パッチムの順と続きます。

小学校1年生で習う教科書の目次一覧は下記の通り。

【1年生1学期】
1. 바른 자세로 읽고 쓰기 (正しい姿勢で読んで書く)
2. 재미있게 ㄱㄴㄷ (楽しくㄱㄴㄷ)
3. 다 함께 아야어여 (みんな一緒に아야어여)
4. 글자를 만들어요 (文字を作ります)
5. 다정하게 인사해요 (優しく挨拶します)
6. 받침이 있는 글자 (パッチムのある文字)
7. 생각을 나타내요 (思考を表します思い出す)
8. 소리 내어 또박또박 읽어요 (音を出してはっきりと読む)
9. 그림일기를 써요 (日記を書きます)

【1年生2学期】
1. 소중한 책을 소개해요 (大切な本を紹介します)
2. 소리와 모양을 흉내 내요 (音と形を真似します)
3. 문장으로 표현해요 (文章で表現します)
4. 바른 자세로 말해요 (正しい姿勢で教えてください)
5. 알맞은 목소리로 읽어요 (適切な声で読んでください)
6. 고운 말을 해요 (きれいな言葉を話します)
7. 무엇이 중요할까요 (何が大事ですか?)
8. 띄어 읽어요 (間をあけて読みます)
9. 겪은 일을 글로 써요 (経験したことを書いてください)
10. 인물의 말과 행동을 상상해요 (人物の言葉と行動を想像します)

遊び中心の学習と言われる通り、授業では母音や子音の形を絵の中から探したり、パズルのように文字を組み合わせてみたり、ということを繰り返しやっていました。

また、文字を書く練習は、お絵描きをするようにカラフルに文字を書いたり塗ったりという遊びをしながら、そのあとから本格的に文字を書く練習に入りました。

2学期からはパダスギが始まる

韓国の小学校で必ず行われるのが、받아쓰기(パダスギ)
英語ではディクテーション、日本語なら聞き取りと、聞いた言葉をそのまま書くこと練習です。

どの学校も同じだと思いますが、夏休み明けの2学期からパダスギがスタートしました。

韓国は評価や点数を信じる保護者が多いので、過度な競争を避けるために頻繁にテストを実施しないことや、点数で評価しないことが決まっています。(単なるミニテスト的なものですがw)

簡単ではないパダスギですが、韓国の小学生ならほぼ全員が通る道というだけあって、ハングルを身に付けるためには役立つオススメの方法だと言えます。

小学校のパダスギ(書き取り)手順

パダスギは、予め教科書から抜粋された10問程度を家庭で自主練習し、当日は、先生が問題を読み上げて、生徒が書き取りをするという方法で進められます。

パダスギで大事なことは、

  • 先生が読み上げる通りに正しく書き取れたか
  • ティオスギ(띄어쓰기/分かち書き)がきちんとできているか

ちなみに、何度も繰り返し聞いてOK。

韓国語は、句読点を使わないので、代わりに単語と単語の間にスペースを入れる「ティオスギ」があります。
このティオスギがなかなか難しくて、間の開け方によって意味が全然変わることも。

一度パダスギをやってみると分かると思いますが、リスニングだけでなく書き取り能力もアップに役立ちそう。
韓国語は連音化や鼻音化など不規則に音が変わるので、聞くときの音声と実際に書く文字が違うことがよくあるんですよね。

いきなり長くて難しい文章でやらなくても、小学生のように短い文章を正しく書いたりするだけで十分。
パダスギがきちんとできるようになると、文法、語彙、発音変化など総合的に効果があると思います。

教科書から抜粋する文章なので、単語や短い文章であってもひっかけ問題のように感じるほど易しくはなくて、私は息子より正しく書けませんでしたw

さいごに

既に韓国語が話せる状態の子どもたちは、どうやってハングルを学習し上達していくのでしょうか。

息子の場合は、韓国にいながらも入学前までは日本語優位で過ごし、文字の教育もしなかったので、「韓国語がまぁまぁ聞き取れて話せる程度、読み書き0」という状態でした。

韓国人家庭で育ったクラスメイトたちとの差は明らかでしたが、遊びのなかで韓国語に親しみ、楽しみながら学習ができたおかげで、半年経った今では、ある程度読み書きができるようになりました。

大人になってからハングルを学んだ私と違って、耳が良い子どもたちは、発音変化に対して苦手意識がないんですね。
書くことに慣れていないので、聞いたことをそのまま書くと間違うことはありますが、結構すぐに覚えてしまうようです。学ぶのに適した時期とあって、子どもたちはどんどん吸収していきます。

私は韓国に住んでいながらも、本格的な韓国語の勉強をしたことがないので、発音の違いにも疎いし聞いたまま書き取りをすると、とんでもない間違いをしますw

英語の方が好きでハングルに対してはセンスがないと思っているので積極的に学習をしてきませんでしたが、せっかくの機会なので、私も少し息子に付いて勉強しようかなとw

幼いころから(生まれてすぐ・・)から大学受験のために邁進する子どもたちが多いとあって、楽しく学べる韓国語教材が豊富にあるので、これからご紹介できればと思います。

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