【「育てにくい」はママのせいじゃない】ハイニーズベイビーとの5年間

HSC(繊細な子)

〜ハイニーズベイビーと過ごした5年と、今思うこと〜

「手がかかる子」「育てにくい子」——
そんな言葉を、あなたも感じたことがありますか?

私の息子は、生まれたときからまさに“そういう子”でした。泣き声は大きく、寝ない、食べない、癇癪がひどい。
それでもどこかで「これは私の育て方のせいかも」と自分を責めてしまう日々。

でもあるとき出会ったのが、「ハイニーズベイビー(High-Needs Baby)」という言葉でした。
それはまさに、息子のような気質の赤ちゃんのことだったのです。

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ハイニーズベイビーってどんな子?

ハイニーズベイビーとは、生まれつき感受性が高く、刺激に敏感で、強い要求を持つ赤ちゃんのことを指します。
親の育て方が悪いのでも、性格のせいでもなく、生まれ持った気質によるものです。

私の息子も例外なく、よく泣く子でした。しかも激しく、途切れることなく泣き続ける
産院でも始終泣いていたし、ほんの小さな音(掃除機の音はもちろん、誰かが歩く音、ビニール袋のカサっていうような些細な音など)でもすぐに気付いてギャン泣きの赤ちゃん時代。

また、離れるとすぐ泣くので、起きている時はひたすら抱っこ。新品のベビーカーは数回乗っただけ。

赤ちゃんだから泣くのは当たり前だけれど、周りにいる赤ちゃんたちと随分泣くポイントが違うなぁと違和感を感じていましたが、ハイニーズベイビーを知ってからは、「そういう子もいるんだ」と少し安心しました。

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何個当てはまる?ハイニーズベイビーの特徴

では、ハイニーズベイビーの共通の特徴とは何でしょうか?

先ずは、ご自身の赤ちゃんが、ハイニーズベイビーに当てはまるのか下の項目を見て当てはまるか、考えてみてください。もしハイニーズベイビーなら、ほとんどの項目に当てはまるそうです。

  • 静かにしている時間がすくない。たいてい泣いたり愚図ったりしている(しかも激しく)
    赤ちゃんを置いて離れようとするとすぐ気付き、赤ちゃんを抱っこするまで大声で泣き続ける。自分の要求が満たされないと、より激しく怒ったりする
  • いつも動きたがる。落ち着きがなくじっとしていない(多動性)
    常に抱っこやおんぶをしたり、散歩に連れ出さなければならない。知らない人が抱っこしようとすると、背中を反り返らせて嫌がることもある
  • 母親をいつも必要としている
    母親(もしくは夫)以外の人に預けることができない。いつも赤ちゃんのそばにいなければならない。母親と一緒にいないとき、赤ちゃんは不安と恐怖を感じている
  • 離乳食の好き嫌いが多い
    五感に敏感で、食べ物の触感やにおいなどにも反応しやすい
  • 要求レベルが高い、厳しい
    いつでも大声で要求します。要求と違う対応をしたり、素早く対応しないとひどい癇癪を起したりする
  • 睡眠時間が安定しない。頻繁に起きる
    ほとんどの赤ちゃんは定期的な睡眠スケジュールを持ち、頻繁に昼寝をする赤ちゃんもいますが、ハイニーズベイビーはすぐ目覚めてしまうので睡眠時間が少なくなりがち。自然に寝落ちすることもなく、時間も不定期、とにかく寝ない。
  • 要求が厳しい。要求が満たされない場合、泣き続ける
    食べたり、寝たり、抱っこしたり、遊んだり、すべてが赤ちゃんのペースで行われる。それらを優先しなければ、癇癪を起したり、泣き止まないこともある
  • 気分にムラがあり、行動が予測できない
    同じ対応をしていても、赤ちゃんの気分次第で結果が大きく変わる。1つ気に入らないことがあれば癇癪を起こすときもあれば、同じことをしていても機嫌よくしていたり。昨日はうまくいったのに今日は上手くいかないことが多いというように、行動の予測が難しい
  • 神経質で、五感に超敏感
    人混み、騒がしい場所を好まない。人見知りで知らない人とのコミュニケーションを嫌がり、慣れない場所に行くとギャン泣きしたり、頻繁に抱っこを要求する。安心できる人や場所が大好き
  • 自分でリラックスできない
    愚図っているとき、おしゃぶりやオルゴール、赤ちゃんのおもちゃ、派手でカラフルなもの、楽しい音楽を見せたり聞かせたりすればたいてい落ち着くが、ハイニーズベイビーには逆効果なことも。なだめるための最良の方法は、親がそばにいてあげること

参考サイト:
ASK DrSEARS(12 Signs Your Baby is High Need)
Mom Junction(10 Characteristics Of High Need Babies And Ways To Handle It)

赤ちゃん息子
赤ちゃん息子

ぼくは、ぜーんぶチェックがついたよ

呼び名は変わっても、根っこは同じ「敏感な気質」

用語略語意味
ハイニーズベイビー生まれつき刺激に敏感で、手のかかる赤ちゃん。気難しく、強い要求をもつことが特徴。
ハイリーセンシティブチャイルドHSCHighly Sensitive Childの略。ハイニーズベイビーが成長し、幼児〜児童期に入るとこう呼ばれる。感覚が鋭く、繊細で共感力が強い子が多い。
ハイリーセンシティブパーソンHSPHighly Sensitive Personの略。感受性が強く、刺激に敏感な気質を持つ大人を指す。人口の15〜20%程度いると言われている。

ハイニーズベイビーは、赤ちゃん期に見られる“手がかかる敏感さ”の総称
成長すると、HSC(子ども)、さらにHSP(大人)と名前は変わりますが、いずれも“生まれつきの気質”によるものです。

たとえばこんな特徴があります:

  • 音や光に敏感で、人混みが苦手
  • 着替えや食感へのこだわりが強い
  • 感情が深く、環境に影響されやすい
  • 他人の表情や声色にもすぐに気づく
  • 気持ちの切り替えが難しい

「生まれつき」という点で、性格のように“直す”ことはできませんが、環境や関わり方でぐっと育ちやすくなることはあります。

息子の話:単なるわがままじゃなかった

我が家の息子も、まさにハイニーズベイビーそのものでした。

眠らない、泣き止まない、すぐ怒る、こだわりが強くて譲らない。
何かが「イヤ」なとき、その理由もわからず、自分でどうしたらいいかもわからない。だから癇癪で表現するしかなかったんだと思います。

でも、私は少しずつ理解していきました。

「これは“わがまま”じゃなく、“本当に耐えられないほどつらい”と感じているんだ」と。

だから、「それくらい大丈夫でしょ」と流されると、息子はさらに混乱して爆発してしまう。
そういう気質を持っていることを、私自身が受け入れたときから、息子との関係が少しずつ変わり始めたように思います。

手のかかる子と、かからない子の違いって?

もちろん、どんな赤ちゃんにもお世話は必要です。
でも実際には、睡眠・食事・機嫌が安定している赤ちゃんとそうでない赤ちゃんでは、親の負担がまったく違うというのも事実。

よく寝てよく食べてニコニコしてくれる子と、そうじゃない子。
この違いは、毎日の積み重ねの中で親の心にずっしりと響いてきます。

育てにくい子は、実在する

私は声を大にして言いたい。
育てにくい子って、本当にいる」って。

そして今まさに奮闘しているパパやママたちに、心からエールを送りたいです。

私自身、息子が赤ちゃんだった頃は毎日がサバイバルでした。
睡眠不足、常に抱っこ、外出のたびにギャン泣き、食べない・寝ない・泣き止まない…。
誰に相談しても「そんな時期だよ」と流されてしまうつらさ

それでもなんとか乗り越えてきた今、はっきりと言えます。
「いつか、楽になる日」は本当に来ると。

5歳になった今、少しずつ変わってきた

山歩きする子どもたち

息子は現在5歳。
完全に手がかからなくなったわけではありませんが、明らかに以前よりもずっと落ち着いています。

  • 癇癪が減った
  • 感覚過敏が少しずつ改善
  • 夜中に2〜3回しか起きなくなった(←それでも起きるけど!)
  • 保育園への行き渋りがかなり減った

言葉が増えて、状況を理解できるようになったことが大きいのかもしれません。
「何がイヤなのか」が伝えられるようになると、少しずつ世界が変わっていきました。

「過保護すぎ?」に悩まないで

ハイニーズベイビーには、“甘やかし”ではなく“安心”が必要です。
小さいうちはとことん抱っこして、泣いたら応えて、甘えさせてあげてください。
それが“過保護”だと言われたって、この子のために必要なことなら堂々とやればいいと思います。

怖がりな赤ちゃんには、まず「大丈夫だよ」「ここは安全な場所だよ」と感じさせてあげることが最優先。
そうやって安心の土台が育てば、成長とともに自然と手がかからなくなっていきます。

育児に疲れたら、どうか助けを借りてください

「1人の手のかかる子を育てるのは、10人分の子育てに匹敵する」
ある育児番組で聞いたこの言葉に、私はとても救われました。

それくらいの覚悟がいる育児だからこそ、人に頼っていいし、弱音を吐いていい。
ストレスを減らすことは、子どもにとっても親にとっても、一番の幸せにつながると思います。

最後に、私の育児バイブルをご紹介

私が何度も読み返している1冊があります。
繊細で敏感な子どもの育て方に悩んだとき、何度もこの本に助けられました。

✔ 実際の悩みごとの対処法
✔ 敏感な子への具体的な声かけ
✔ 共感できるエピソードが豊富

赤ちゃんから小学生まで幅広く網羅されているので、長く読み続けられる本です。
また別の記事で詳しくご紹介しますが、「1人じゃない」と思える1冊になるはずです。

おわりに

手がかかる子を育てている毎日は、孤独で、終わりの見えない戦いのように感じるかもしれません。

でも、あなたが今していることは、誰にでもできることではない、とても尊い仕事です。
焦らず、少しずつ、自分と子どもを信じて。

「育てにくい」は、「育てがいのある」に変わっていく日がきっと来ます。

息子
息子

だいじに育ててくれてありがとう♡

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