〜ハイニーズベイビーと過ごした5年と、今思うこと〜
「手がかかる子」「育てにくい子」——
そんな言葉を、あなたも感じたことがありますか?
私の息子は、生まれたときからまさに“そういう子”でした。泣き声は大きく、寝ない、食べない、癇癪がひどい。
それでもどこかで「これは私の育て方のせいかも」と自分を責めてしまう日々。
でもあるとき出会ったのが、「ハイニーズベイビー(High-Needs Baby)」という言葉でした。
それはまさに、息子のような気質の赤ちゃんのことだったのです。
ハイニーズベイビーってどんな子?
ハイニーズベイビーとは、生まれつき感受性が高く、刺激に敏感で、強い要求を持つ赤ちゃんのことを指します。
親の育て方が悪いのでも、性格のせいでもなく、生まれ持った気質によるものです。
私の息子も例外なく、よく泣く子でした。しかも激しく、途切れることなく泣き続ける!
産院でも始終泣いていたし、ほんの小さな音(掃除機の音はもちろん、誰かが歩く音、ビニール袋のカサっていうような些細な音など)でもすぐに気付いてギャン泣きの赤ちゃん時代。
また、離れるとすぐ泣くので、起きている時はひたすら抱っこ。新品のベビーカーは数回乗っただけ。
赤ちゃんだから泣くのは当たり前だけれど、周りにいる赤ちゃんたちと随分泣くポイントが違うなぁと違和感を感じていましたが、ハイニーズベイビーを知ってからは、「そういう子もいるんだ」と少し安心しました。
何個当てはまる?ハイニーズベイビーの特徴
では、ハイニーズベイビーの共通の特徴とは何でしょうか?
先ずは、ご自身の赤ちゃんが、ハイニーズベイビーに当てはまるのか下の項目を見て当てはまるか、考えてみてください。もしハイニーズベイビーなら、ほとんどの項目に当てはまるそうです。
参考サイト:
ASK DrSEARS(12 Signs Your Baby is High Need)
Mom Junction(10 Characteristics Of High Need Babies And Ways To Handle It)

ぼくは、ぜーんぶチェックがついたよ

呼び名は変わっても、根っこは同じ「敏感な気質」
用語 | 略語 | 意味 |
---|---|---|
ハイニーズベイビー | ― | 生まれつき刺激に敏感で、手のかかる赤ちゃん。気難しく、強い要求をもつことが特徴。 |
ハイリーセンシティブチャイルド | HSC | Highly Sensitive Childの略。ハイニーズベイビーが成長し、幼児〜児童期に入るとこう呼ばれる。感覚が鋭く、繊細で共感力が強い子が多い。 |
ハイリーセンシティブパーソン | HSP | Highly Sensitive Personの略。感受性が強く、刺激に敏感な気質を持つ大人を指す。人口の15〜20%程度いると言われている。 |
ハイニーズベイビーは、赤ちゃん期に見られる“手がかかる敏感さ”の総称。
成長すると、HSC(子ども)、さらにHSP(大人)と名前は変わりますが、いずれも“生まれつきの気質”によるものです。
たとえばこんな特徴があります:
- 音や光に敏感で、人混みが苦手
- 着替えや食感へのこだわりが強い
- 感情が深く、環境に影響されやすい
- 他人の表情や声色にもすぐに気づく
- 気持ちの切り替えが難しい
「生まれつき」という点で、性格のように“直す”ことはできませんが、環境や関わり方でぐっと育ちやすくなることはあります。
息子の話:単なるわがままじゃなかった
我が家の息子も、まさにハイニーズベイビーそのものでした。
眠らない、泣き止まない、すぐ怒る、こだわりが強くて譲らない。
何かが「イヤ」なとき、その理由もわからず、自分でどうしたらいいかもわからない。だから癇癪で表現するしかなかったんだと思います。
でも、私は少しずつ理解していきました。
「これは“わがまま”じゃなく、“本当に耐えられないほどつらい”と感じているんだ」と。
だから、「それくらい大丈夫でしょ」と流されると、息子はさらに混乱して爆発してしまう。
そういう気質を持っていることを、私自身が受け入れたときから、息子との関係が少しずつ変わり始めたように思います。
手のかかる子と、かからない子の違いって?
もちろん、どんな赤ちゃんにもお世話は必要です。
でも実際には、睡眠・食事・機嫌が安定している赤ちゃんとそうでない赤ちゃんでは、親の負担がまったく違うというのも事実。
よく寝てよく食べてニコニコしてくれる子と、そうじゃない子。
この違いは、毎日の積み重ねの中で親の心にずっしりと響いてきます。
育てにくい子は、実在する
私は声を大にして言いたい。
「育てにくい子って、本当にいる」って。
そして今まさに奮闘しているパパやママたちに、心からエールを送りたいです。
私自身、息子が赤ちゃんだった頃は毎日がサバイバルでした。
睡眠不足、常に抱っこ、外出のたびにギャン泣き、食べない・寝ない・泣き止まない…。
誰に相談しても「そんな時期だよ」と流されてしまうつらさ。
それでもなんとか乗り越えてきた今、はっきりと言えます。
「いつか、楽になる日」は本当に来ると。
5歳になった今、少しずつ変わってきた

息子は現在5歳。
完全に手がかからなくなったわけではありませんが、明らかに以前よりもずっと落ち着いています。
- 癇癪が減った
- 感覚過敏が少しずつ改善
- 夜中に2〜3回しか起きなくなった(←それでも起きるけど!)
- 保育園への行き渋りがかなり減った
言葉が増えて、状況を理解できるようになったことが大きいのかもしれません。
「何がイヤなのか」が伝えられるようになると、少しずつ世界が変わっていきました。
「過保護すぎ?」に悩まないで
ハイニーズベイビーには、“甘やかし”ではなく“安心”が必要です。
小さいうちはとことん抱っこして、泣いたら応えて、甘えさせてあげてください。
それが“過保護”だと言われたって、この子のために必要なことなら堂々とやればいいと思います。
怖がりな赤ちゃんには、まず「大丈夫だよ」「ここは安全な場所だよ」と感じさせてあげることが最優先。
そうやって安心の土台が育てば、成長とともに自然と手がかからなくなっていきます。
育児に疲れたら、どうか助けを借りてください
「1人の手のかかる子を育てるのは、10人分の子育てに匹敵する」
ある育児番組で聞いたこの言葉に、私はとても救われました。
それくらいの覚悟がいる育児だからこそ、人に頼っていいし、弱音を吐いていい。
ストレスを減らすことは、子どもにとっても親にとっても、一番の幸せにつながると思います。
最後に、私の育児バイブルをご紹介
私が何度も読み返している1冊があります。
繊細で敏感な子どもの育て方に悩んだとき、何度もこの本に助けられました。
✔ 実際の悩みごとの対処法
✔ 敏感な子への具体的な声かけ
✔ 共感できるエピソードが豊富
赤ちゃんから小学生まで幅広く網羅されているので、長く読み続けられる本です。
また別の記事で詳しくご紹介しますが、「1人じゃない」と思える1冊になるはずです。
おわりに
手がかかる子を育てている毎日は、孤独で、終わりの見えない戦いのように感じるかもしれません。
でも、あなたが今していることは、誰にでもできることではない、とても尊い仕事です。
焦らず、少しずつ、自分と子どもを信じて。
「育てにくい」は、「育てがいのある」に変わっていく日がきっと来ます。

だいじに育ててくれてありがとう♡